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竹紙と絵手紙、広がる輪… 「絵手紙サミット」開催 長野・須坂園芸高校

2008.6.13 03:26

 長野県須坂市の須坂園芸高校環境工学コースが5年前から取り組んでいる「竹紙(ちくし)」作り。ゴミとして捨てられていたネマガリダケの皮を利用しようと始まった。独特の風合いを持つ紙は「絵手紙」と出会うことで、人と人、地域と地域を結び、今月8日、ひとつの集大成として「絵手紙サミット」が同校で開催された。(高砂利章)

 ネマガリダケ(チシマザサ)は、一般のタケノコよりアクが少なく、きめが細かく繊細な味が特徴。そのまま焼いて皮をむいて食べたり、長野県北部ではサバ缶といっしょにみそ汁に入れるなど、「高級山菜」として珍重されてきた。

 県最北部に位置し、土地の9割を山林が占める栄村では遊休農地の活用策として、20年前からこのネマガリダケの栽培に取り組み、現在では年間10トン近い生産量を誇る。しかし食べられる部分はごくわずかで、皮と茎のほとんどはゴミとなる。「何とか利用できないか」と考えた須坂園芸高校環境工学コースの中村泰久教諭(52)と生徒らが、平成16年度から日本古来の紙すきの技術を学び完成させた「竹紙」は、「千島単衣 (ちしまひとえ)」と命名された。

 たまたま栄村では、絵手紙を使った村おこしに取り組んでおり、世界絵手紙展の開催や、車窓から見える風景を絵手紙にスケッチしながら楽しむ「絵手紙列車」の運行を実現。昨年には村内に絵手紙タイムカプセル館を開館している。廃物だったネマガリダケの皮ですかれた「竹紙」は、こうした絵手紙を描く材料としても活躍。活動の広がりのなかで、少しずつ竹紙ファンも増えた。

 群馬県伊勢崎市の絵手紙作家、上岡ひろ子さん(67)とは、4年前の絵手紙列車に参加したことから交流が始まった。「絵の具や墨の染み込み具合が独特で、絵手紙にぴったり。最初は少し厚みがなかったが、最近は十分に強くなった」と評価。著書などで同コースの取り組みを紹介したほか、昨年秋に同校で開かれた園芸祭では作品展を開いた。「廃品から作られた竹紙や、牛乳パック。絵手紙というのは何もきれいな紙を使わなくても、こうした再利用品で素晴らしい作品を作ることができることを知ってほしい」と期待する。

 8日に開催されたサミットには、県内外や地元から約20人が同校を訪れた。参加者たちは生徒たちから教わりながら実際に自分たちの手で竹の皮を使った紙をすき、上岡さんから絵手紙の描き方を教わった。

 会場には、竹の皮だけではなく、竹本体の端材から作られた紙も展示された。中村教諭は「日本人と竹は古来つながりが深いが、最近では各地で里山の竹林は荒れはてている。そうした里山の竹から紙を作ることも、美しい景観を回復するひとつの手段だと、地元の人を含め、多くの人に発信できれば」と、サミットの開催目的を語った。

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