MSN Japanのニュースサイトへようこそ。ここはニュース記事全文ページです。
[PR]

「人の流れ」で空洞化解消 長野中心街

2008.1.9 02:13

 幹線道路に沿って郊外に広がる大型商業施設。全国の至る所で見られる光景で、長野市も例外ではない。その一方でこれまで地域商業の核だった中心市街地は空洞化が進み、シャッターを閉めたままの空き店舗が増えていく。再びまちの中心部に人を呼び込もうとさまざまな取り組みが進むが、一度、郊外に流れた消費者の足を止めるのは容易ではない。果たして特効薬はあるのか−。(太田浩信)

 かつて長野市の商業の中心は、JR長野駅から中央通りを800メートルほど善光寺に向かった新田町交差点周辺だった。デパートの長野そごう、大型スーパーのダイエー長野店が集客を競い、長野駅、県内有数の繁華街の権堂、全国から観光客が訪れる善光寺を結ぶ“ハブ”としてにぎわった。

 だが、長野冬季五輪後の疲弊が地域経済に影を落とす中で、平成12年には両大型店とも経営破綻(はたん)、店舗閉鎖という形でシャッターを下ろし、巨大な空き店舗が出現。市や商工会議所などが活性化に取り組んだが、核となる大型商業施設の誘致が進まず、善光寺の表参道に位置した中央通りからは客足が遠のき、週末でさえ閑散とした光景が広がった。

 旧ダイエー長野店が撤退したビル(地上8階地下1階)は後に入居する大型店がなく、市が14年に取得して地域活性化ビル「もんぜんぷら座」として15年にオープン。1階に食品スーパーが開業したほか、交流育児施設、市民公益活動センター、国際交流センター、ながの観光コンベンションビューロー、日本司法支援センターなどが入居した。

 長野そごう跡地などにも18年9月、市街地再開発によって複合施設「TOiGO(トイーゴ)」が完成。地元民放テレビ・ラジオ局の信越放送を核施設に、生涯学習センターやテナントの店舗、フィットネスクラブなどが営業を開始し、「以前ほどではないにしても徐々に客足は回復してきつつある」(長野商工会議所)といい、広場でのイベントなどがにぎわいを創出する。

 こうした状況でも、もんぜんぷら座は依然として5階以上のフロアに空き状態が続いていた。しかし、同ビル近くのNTT東日本長野支店が昨春、市に利用を打診。新設や移転など電話に関するサービスの申し込みを処理するコールセンターを開設したいという内容だった。

 そして暮れも押し迫った昨年12月21日。センターのサービス開始セレモニーが行われた。

 セレモニーでは、NTT関係者のほか、長野市や地元商店街の関係者らが顔をそろえ、歓迎ムード一色。鷲沢正一市長は「もんぜんぷら座の(上層階の)有効な活用方法がなく頭を痛めていた」と心情を吐露。「全館活用にめどがついたことにより、中心市街地の活性化に一層の弾みがつくと期待している」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 岡田荘史市議会議長は「雇用安定はもとより、公共交通機関の利用や周辺商店街の活性化も期待できる」、加藤久雄長野商工会議所会頭も「多くの女性がここで働くだけで大変な活性化になる。450人の女性の購買力は5000人の男性の購買力に相当する」と弾んだ声であいさつした。

 中心市街地の空洞化は商業の面だけではない。若い世代は地価の安い郊外に家を建て、中心部では人口減、高齢化が進む。空洞化の弊害は学校教育にも現れる。県庁近くの後町小学校では、昭和30年代には1000人を超えていた児童数がここ数年は100人に満たず、平成24年度末での閉校が決まった。

 消費ニーズの多様化が進み、中心市街地に大きな集客力を持つ商業施設を誘致することは不可能に近い。そんな中で、多くの従業員を擁する信越放送やNTT東日本のコールセンターのような事業所の誘致・開設は、活性化に向けた一つの選択肢といえる。

 市や商業関係者が期待するように、人の流れが町の活気となり、商店街が魅力ある店舗展開をすれば消費者を引きつけることになる。

 これまでの大型商業施設頼みの活性化から視点を外し、周辺部から新たに労働人口を呼び込むことで活性化を図る方策。特効薬といえないまでも人を中心市街地に誘導することで、にぎわいを取り戻そうとする長野市での今後の動きが注目される。

[PR]
[PR]
PR
PR

PR

イザ!SANSPO.COMZAKZAKFuji Sankei BusinessiSANKEI EXPRESS
Copyright 2008 The Sankei Shimbun & Sankei Digital
このページ上に表示されるニュースの見出しおよび記事内容、あるいはリンク先の記事内容は MSN およびマイクロソフトの見解を反映するものではありません。
掲載されている記事・写真などコンテンツの無断転載を禁じます。