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【主張】外相訪米見送り 日米の「危機」放置するな

2009.11.5 03:10
このニュースのトピックスオバマ米大統領

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題の打開をめざして岡田克也外相が希望したクリントン米国務長官との直接会談は見送られることとなった。

 外相は5日、来日するキャンベル国務次官補と会談する。12日のオバマ大統領訪日前に決着させる最後の機会といえる。普天間問題は大統領訪日の最大の懸案であり、解決の遅れは危機を日米関係全般に広げかねない。鳩山由紀夫首相は速やかに閣内意思を統一し、日米合意に沿った現行計画受け入れを決断すべきだ。

 この問題で岡田外相は「県外移設は事実上不可能」として米軍嘉手納基地への統合案を浮上させ、オバマ訪日を前にした今週末に訪米してクリントン長官と直接協議する道を模索してきた。

 当初の訪米構想には問題もあった。第一は、移設をめぐる主要閣僚の見解がばらばらに迷走しており、第二に嘉手納統合案自体が過去にも検証され、米軍も地元住民も強く反対していることだ。

 しかし、現行計画以外に代替選択肢がないことが日米外相間で確定され、結果として現行計画での決着につながるなら、意味は十分ある。その点で、平野博文官房長官が「国会日程上、調整が困難」との理由で外相訪米を見送った判断は理解に苦しむといわざるを得ず、残念だ。

 普天間をめぐる迷走に米政府は懸念を高めている。国務省報道官は「最終的に日本が米国とどんな関係を築きたいのかにかかっている」と、異例の発言で同盟関係全般への悪影響を警告した。

 沖縄では政府の不決断に不安を表明する市や町が増え、住民感情も揺れている。また、仲井真弘多(ひろかず)沖縄県知事が米軍基地を抱える首長らの代表として訪米するなど、米軍再編問題は沖縄県以外へも広がりを見せ始めている。

 こうした緊急の時に、参院予算委員会出席を優先して外相訪米を断念させた政権首脳部は、日米同盟の根幹にかかわる重大事に対する感覚が鈍すぎるのではないか。認識不足として強く反省を求めたい。決定を再検討すべきだ。

 鳩山首相も「できる限り県民の意思に沿った結論を出したい」と述べ、この期に及んでも決断の時期も方向も示そうとしない。国家の安全をあずかる指導者として極めて無責任だ。大統領訪日を実のあるものにするために、早急に決断と指導力を発揮すべきだ。

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