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【断 大月隆寛】「失言」と「空気」
このニュースのトピックス:コラム・断
政治と宗教に関してはとりあえず黙っておくが吉−是非はともかく、これはニッポン世間の世渡りの常識、でしょう。うっかり表に出しちゃうとどんな反発があるかわからないから気をつけよう、という知恵。いや、その自由は憲法で保障されているんだ、などといくら力んでみても、世間ってやつは理屈通りにはいかない。そもそも、そんな厄介な世間とうまくつきあうことも含めて「政治」のはず。その意味じゃ、「日教組を解体する」と言っちまったことも、それを「許せない」と糾弾するのも、ともに「個人の内面の自由」の枠内、普段は隠されている「ハラの中」がうっかり表沙汰(さた)になっちゃったという、わがニッポン政治じゃおなじみの風景ではあります。要は「空気読め」と。なるほど、「政治」は具体的な「力」なんかじゃなく、いまだやっぱり「空気」に宿るもののようです。
とはいえ、こういう「失言」をここぞとばかりに糾弾してまわる側は、同時に「人権」や「平和」や「エコ」を熱心に折伏してまわるような信心深い方々だったりする。そんなご自身の布教活動に対する世間の「空気」を見事に読めないままなのは、はて、どういう心理のからくりなんでしょうか。
日教組にいまなお、違和感や不信感を抱く「空気」もまた、確かにこの世間に宿っている。辞任確定後も半ば捨て身で「失言」を繰り返した中山氏の背後には、そんな無告の同胞の気分が控えていました。事実誤認だ、勉強不足だ、と優等生の金切り声で否定するだけでは、その「空気」はさらに重く、けだるく同時代の底によどんでゆくばかりです。(札幌国際大学教授)
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