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リーマンショック 揺れる自民党
米証券大手リーマン・ブラザーズの経営破(は)綻(たん)の余波が、総裁選の最中である自民党を直撃している。今後も金融不安が広がれば、政府・与党への批判が噴出しかねないからだ。総裁選の早期打ち切りを求める声も出始めており、総裁選の勢いに乗って衆院解散・総選挙に踏み切る戦略にも陰りが生じかねない。
総裁選候補は17日午後、岡山市のJR岡山駅前で街頭演説を行ったが、与謝野馨経済財政担当相(70)の姿はなかった。「リーマン・ショック」を受け、政府の経済財政諮問会議への出席を優先させたためだ。与謝野氏は18日も日本経団連など経済3団体に対するヒアリングを行うことになり、秋田、岩手両県での街頭演説をキャンセルした。
残り4候補は金融不安の沈静化に躍起となった。
最有力候補の麻生太郎幹事長(67)は「大きな金融機関が破綻の危機にひんし、日本に与える影響は極めて大きい。しかし、万全の態勢を敷いており、日本が急にオタオタしなければならない状況にはまったくない」と力説。小池百合子元防衛相(56)は、20世紀初頭の世界恐慌に際するルーズベルト米大統領の演説を引用し、「われわれが恐れなければならない唯一のものは恐れそのものである」と述べた。
自民党内では「すでに麻生勝利がほぼ確定しているのにこれ以上総裁選を続ける意味はない」「総裁選を短縮し、政府・与党一丸となって早急な対策を講ずるべきだ」など総裁選に懐疑的な声も出始めた。
ただ、総裁選では各県連が党員投票を実施しており、投開票の前倒しは困難な情勢だ。麻生陣営も「他陣営がそろってそういう要請をすれば別だが、こちらから言い出してコールドゲームを決める話ではない」(幹部)と困惑顔だ。
一方、自民党は17日午後、金融調査会・財務金融部会の合同会議を緊急開催。出席議員から「大恐慌の前兆であり、放っておくと日本はもっと景気が悪くなる」「公的資金投入を含め、金融機関を絶対につぶさないというメッセージを出すべきだ」など政府への厳しい注文が相次いだ。
大野功統(よしのり)・党金融調査会長も「対岸の火として見過ごす訳にはいかない。すでに火の粉は日本経済に降りかかってきており、絶対に消し止めなければならない」と述べ、今後も最優先課題として取り組む考えを示した。
しかし、衆参ねじれの現状では、24日の首相指名選挙で新政権が発足しても迅速かつ効果的な対応策を講じることは難しい。このため、党内の趨勢(すうせい)は、新政権発足後速やかに衆院解散に踏み切り、現状打開を目指すべきだとの意見に傾きつつある。
これに対し、加藤紘一元幹事長は17日のCS番組収録で「とても総選挙をやっているときではない。解散の時期を延ばしてでも、国会でこの問題に取り組むべきだ」と主張。今後も金融不安が広がれば、このような声はさらに強まるとみられている。
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