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保険料か税か 年金制度改革めぐる論議本格化 政界再編にらんだ思惑も (2/4ページ)
ただ、保険料の未納問題は避けられない。また、制度に加入してから年金受給開始まで、何十年も正確な記録管理が必要で、運営コストがかさむ。
その点、税方式は保険料を納める必要がなく、未納問題は生じない。保険料納付が難しい低所得者でも必ず年金を受け取ることができ、無年金者はいなくなる。税は高齢者も負担することから、世代間の不公平も少なくなる。
シンプルで分かりやすい制度といえるが、デメリットも少なくない。現行の基礎年金を全額税金でまかなうとすると新たに約12兆円が必要で、これを消費税率に換算すると約5%。今後医療や介護など他の社会保障負担の増加も予想され、これらも消費税でまかなうと消費税率を十数%まで引き上げなくてはならない。
また、税方式は負担と給付の関係が不明確だ。消費税を目的税にしない限り、増税分が年金に回っているかは分からない。使途があいまいなままの増税は、国民に理解されない。
一方、現行制度を税方式に制度変更する場合、移行期間の経過措置をどうクリアするかも課題だ。
税方式ではこれまで保険料を支払ってこなかった人にも年金が支払われる。このため、長年まじめに保険料を払ってきた人に不公平にならない仕組みが必要だ。すでに保険料を払い終わった加入者が、税という形で再び負担しなければならないという問題もある。
政府・与党は21年度に基礎年金の国庫負担割合を2分の1まで引き上げる考え。また、年金の官民格差の解消を図るため厚生、共済両年金の一元化法案を国会に提出している。
これに対し、民主党は国民年金を含めた年金制度を一元化する案を主張している。現行の基礎年金にあたる部分を全額税でまかなう「最低保障年金」とし、保険料を財源とする所得比例年金部分と組み合わせる。最低保障年金は現役時代の所得が増すにつれ徐々に減り、年収1200万円でゼロとなる。
民主党案は最低保障年金に注目が集まり税方式と誤解されるが、最低保障年金を受給するには保険料納付が条件で、実際には社会保険方式だといえる。無所得者に対しては生活保護で対応する方針だ。