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【政治家の隠れ家はここだ】中曽根−河野合流会談が不調に終わった店
重箱(東京都港区赤坂)
創業は約200年前。店名からも分かるとおり、うなぎの蒲焼きを重箱に入れることを考案したのは、この店である。うなぎ屋というよりも、うなぎを出す料亭と言った方が実際のイメージと近い。気軽にうな重を食べるといった感じの店ではない。
国会議事堂や赤坂議員宿舎から近いということもあって、政治家の利用はきわめて多い。宮沢喜一元首相や森喜朗元首相、安倍晋三前首相ら歴代首相はもちろんのこと、ほとんどの有力政治家がこの店を利用している。
平成11年3月9日、中曽根康弘元首相と河野洋平元自民党総裁がこの店で会談した。
この前年の7月の自民党総裁選への対応をめぐり、自民党三塚派(清和会=清和研、現在の町村派)は、森氏や小泉純一郎前厚相らのグループと、亀井静香元建設相(現在、国民新党代表代行)や平沼赳夫元運輸相、中川昭一農水相らのグループとの分裂状態に陥った。そして、同年9月、亀井氏らは派閥を離脱した。
一方、同年11月、中曽根派(政科研)の流れをくむ旧渡辺派から山崎拓前政調会長のグループが独立。残った議員らは、亀井氏らのグループと合流し、11年3月18日に村上正邦前参院自民党幹事長を会長とする「村上・亀井派」(志帥会)が結成された。
重箱で中曽根−河野会談が開かれたのは、志帥会結成の直前である。会談では、河野氏のほか麻生太郎元経企庁長官らが所属する河野グループの志帥会合流が話し合われた。
だが、河野氏は「旧中曽根派と亀井グループの合併を祝福したい。だが、河野グループとしては、現時点ですぐに参加することはできない」との考えを示した。
その後、志帥会の会長は村上氏から江藤隆美氏、亀井氏、そして、現在の自民党幹事長である伊吹文明氏へと引き継がれた。
今、麻生氏はポスト福田康夫首相の有力候補の一人に数えられるようになり、志帥会の中川昭一氏と連携をとっている。一方、亀井氏や平沼氏は自民党を離脱し、政界再編に向けた動きが注目されている。11年3月に、河野グループが旧中曽根派、亀井グループと合流していれば、この4人が今、固い結束を誇っていたかもしれないし、逆に個性派ぞろいのために粉々に分裂していたかもしれない。いずれにしても、今の政界の風景はまったく違ったものになっていただろう。(政治部 五嶋清)