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財務省に異常な配慮…福田首相、武藤氏固執があだ (1/2ページ)
前代未聞の日銀総裁空席という事態を招いた福田康夫首相。その原因として、実父の赳夫元首相が主計局長を務めた旧大蔵省(現財務省)に対する異常なまでの配慮を指摘する声は多い。なぜ福田首相はここまで、大蔵(財務)事務次官経験者にこだわったのか。
「目前のG7を考えたら、戦える人でないといけない。会議中にアドバイスする人はいないんだよ。国益、財政で戦える人でないとだめだ。だから(田波氏を)出したんだ」
財務省首脳は18日夜、記者団に、民主党の不同意が濃厚な田波耕治氏を福田首相があえて提示した理由をこう解説した。
もっとも、その言葉に説得力はない。
福田首相の意中の人は、いまだに最初に不同意となった武藤敏郎氏とみられている。田波氏を提示したのも、武藤氏の2代前の次官である同氏なら「将来の武藤総裁の芽を残せる」との判断が働いたとされる。それどころか、「田波氏は当て馬で、まだ福井氏後任をあきらめていない」(政府関係者)という声すらある。
「福田康夫首相がこれだけ財務省の事務次官経験者にこだわるのは、空席よりも財務省内秩序を優先したからだ」
民主党の菅直人代表代行は19日、2度も次官経験者を提示するという空席覚悟の“自爆テロ”ともいえる暴挙に、こう吐き捨てた。
田波氏提示には、財務省内の勢力争いも見え隠れする。
民主党は「同じ財務省OBでも、国際金融を担当する財務官経験者ならOK」というサインを送り続けていた。
有力候補は、アジア開発銀行(ADB)総裁の黒田東彦(はるひこ)氏と、国際金融情報センター顧問の渡辺博史氏の2人。
ただ、任期途中の黒田氏を起用すれば、日本が確保するADB総裁ポストを中国や韓国に奪われるリスクがある。このため、昨年7月に退任し、“浪人中”の渡辺氏に注目が集まった。しかし、福田首相は財務官カードを切らなかった。

