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【主張】空港外資規制 先送り機に議論煮詰めよ
空港の管理会社に対する外資規制が今国会では見送られることになった。政府内ですら賛否両論が対立し、混乱を深めている現状では、やむを得ない措置といえよう。
議論が生煮えのまま、法案づくりを急いだ国土交通省の責任は重いが、ことは国家の安全保障にも深く絡む問題である。結論を無期限に先送りすることだけは許されまい。
政府は年内をめどに再度、規制のあり方について結論を得る考えという。法案の提出にあたっては、国民、外国人投資家の双方に得心がいく論拠をしっかり示す必要がある。
規制派の最大の論拠は安全保障上の懸念だ。ある日突然、日本と敵対関係にある国の政府系投資ファンドが空港管理会社の株を買い占め、同時に発生した日本有事に空港使用についての協力を拒んだらどうなるか。これは極端な例ではあるが、規制派は、絵空事とは言い切れぬと主張する。
これに対して規制反対派は、「対日投資の促進に逆行する」と指摘する。日本経済の活性化には外資の積極的受け入れが不可欠であるのに、こうした規制の強化は、「日本市場は閉鎖的」とのマイナスイメージを定着させかねないと反発するのである。
有事への対応も現行ルールで可能とし、必要なら今の外為法などでも外資規制はできるとしている。だが、これには「政府の恣意(しい)的判断ととられるだけで、むしろ市場の不透明感を増すだけ」とする意見もある。最近の外資によるJパワー買収でも結局は外為法の適用判断は保留されたままだ。
外資導入と空港の安全保障確保は、はたして対立する概念なのだろうか。この点はもっと議論されていい。投資意欲を削(そ)ぐのは規制そのものにだけ原因があるわけではない。規制のあり方が恣意的に次々と変更される問題の方が大きい。法の支配が確立されていない国ほど投資リスクが高いのもそのためだ。
今回の外資規制措置も、羽田の空港ビル会社が外資に20%の株式を買い占められたことから急浮上した。市場がもっとも嫌う不透明なルールづくりである。これでは“後出しじゃんけん”だと批判されても仕方あるまい。議論の仕切り直しでは、こうした反省に立った検証も極めて重要だ。