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【正論】新しい年へ 保守への“逆風”凌ぐには… 国学院大学教授・大原康男 (2/3ページ)

2008.1.8 03:25
このニュースのトピックス慰安婦問題

 ≪安倍政権がみせた方向性≫

 この4年間、保守派はこれらの攻勢に対する防御戦に専念することを余儀なくされた。幸い阻止できたものもあったが、一時的な封止にとどまったものもあり、総じて前向きの積極的な活動は制約され、当時の私の表現を用いるならば、後ろ向きの“モグラ叩き”に追われた保守派にとっての“逆風の時代”であったといえよう。

 それが平成10年を境にして状況が大きく変わった。その象徴的な出来事が映画「プライド−運命の瞬間(とき)」の大ヒット、西尾幹二『国民の歴史』と小林よしのり『戦争論』のベストセラー化であるが、長年の懸案である国旗国歌法の制定、国会の憲法調査会設置と各種改憲草案の続出、首相の靖国神社参拝の再開、北朝鮮拉致問題の公認、「昭和の日」の制定と続き、「戦後レジームからの脱却」を訴える安倍内閣の出現によって、憲法改正に不可欠な国民投票法の成立、防衛庁の「省」昇格、集団的自衛権の見直しの着手、教育基本法の全面改正といった画期的な政策が相次いで実現した。

 たしかに、外国人への地方参政権の付与、人権擁護法案、“A級戦犯”分祀、国立戦没者追悼施設の建設などを阻止すべく、後ろ向きの闘いを一方でやむなく展開しつつも、戦後体制を清算するためのこのような積極的な成果が積み重ねられ、いよいよ正念場を迎えようとの思いが膨らんだ矢先に、あの参議院選の大敗と安倍首相の突然の退陣、そして福田内閣の成立という予想外の事態が到来したのは周知の通り。

 ≪戦後レジーム守旧派に抗す≫

 期待が大きかっただけに保守派が受けた衝撃と失望・落胆は大きく、その後遺症はまだ癒(い)えていない。さらに、安倍政権とは対照的なリベラル色の濃い福田政権の下で、沖縄戦集団自決をめぐる教科書再検定問題が急遽(きゅうきょ)浮上し、一旦は封じ込めたはずの外国人参政権や人権擁護法案がまたぞろ顔を出し始めたことが追い打ちとなりつつある。

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