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【正論】新しい年へ 保守への“逆風”凌ぐには… 国学院大学教授・大原康男 (1/3ページ)
この10年の成果踏まえ立て直しを
≪「亡国の危機」からの出発≫
昭和から平成へと時代が移って早くも20年目という節目の年を迎えた。この御代替りが内外にわたる波乱に満ちたものであったことは、いまさら多言を弄するまでもあるまい。
もちろん、大政奉還・戊辰戦争から廃藩置県・征韓論に至る激動の明治、大正政変・シーメンス事件そして第一次世界大戦の勃発(ぼっぱつ)と続く大正、内に金融・経済恐慌と政党政治の腐敗、外に山東出兵・張作霖爆殺事件と動乱の時代の予兆がかすかに見え始めた昭和−と歴史を回顧すれば、近代日本三代の御代替りも期せずして国家的危機に直面していたことが分かるが、平成のそれもこれらと勝るとも劣らぬ大変な時期に当たっていた。
対外的には中国の天安門事件に始まり、ソ連東欧圏の解体による冷戦の終結、湾岸戦争の勃発、台湾海峡と朝鮮半島の緊迫、国内的にはバブル経済の崩壊と景気の長期低迷、55年体制の終焉(しゅうえん)と連立政権の迷走、社会のあらゆる場面に顕在化した国家意識の喪失と倫理崩壊(モラルハザード)−この難局に有効に対処できない国家としてのとどまるところを知らぬ溶融化(メルトダウン)現象を前にして、少なからぬ人々が「亡国の危機」を実感したに違いない。
その基調音は、天安門事件による孤立化から脱却するための方策として中国から最大限に利用された天皇ご訪中から始まって、いわゆる「従軍慰安婦」の「強制連行」を認めた河野談話、細川首相の「侵略発言」、偏向した歴史展示をもくろむ平和祈念館の建設、天皇陛下のアリゾナ記念館ご訪問計画、一方的な戦争謝罪の国会決議とそれを上回る自虐的な村山談話などなど、平成3年末から8年初頭に至る宮沢内閣から村山内閣までのリベラル政権時代に政治の食卓に供せられた一連のアラカルトの味付けを見れば、一目瞭然(りょうぜん)であろう。

