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テロ新法めぐり与党内も足並みに乱れ
政府が新テロ対策特別措置法案を国会に提出し、臨時国会はいよいよヤマ場を迎えた。与党は早期の審議入りを目指すことでは一致しているが、政府が今国会成立を至上命題としているのに対し、与党の一部からは早くも来年の通常国会への先送り論がくすぶっている。与党内の足並みの乱れは、国会の混乱を助長する可能性もある。
「衆院で3分の2の再議決するのは公明党の賛成が必要だ。世論の支持を考慮し、謙虚にやらなければいけない」
新テロ特措法案を了承した17日の自民党テロ特措法合同部会。与党プロジェクトチーム座長の山崎拓元副総裁はさっそく、法案が参院で否決された場合、「3分の2」規定を使って衆院で再議決することに慎重な姿勢を示した。
これは国会論戦で与野党の溝が埋まらない場合に衆院採決を見送り、継続審議にすることをほのめかしたのに等しい。衆院で再議決すれば、野党が参院で首相の問責決議案を出す可能性が高く、解散風が一気に強まると踏んでの判断だ。早期解散を嫌う公明党側の意向を反映したともいえる。
同調する声も少なくない。中川秀直元幹事長も13日に地元・東広島市で講演し、「通常国会に法案審議を継続することを含めて考えるべきだ」と述べた。「大幅延長になれば、予算編成や税制論議などに影響が出る」(自民中堅)との声もある。テロ対策よりも予算の個所付けという利権の“分捕り合戦”の方が重要だというわけだ。
だが、先送りにしても通常国会での成立はますます困難となる。日本に対する国際社会からの批判が強まる上、インド洋での海上阻止活動(OEF−MIO)の枠組みが崩れ、日本の原油輸送などシーレーンが危険にさらされる可能性も高い。
このため、町村信孝官房長官は17日、「臨時国会で成立されるのは当然だ」と強調。伊吹文明幹事長も「国民の日常生活を混乱させないため、政治生命をかける。会期内成立が基本方針だ」と言い切った。
国対幹部も「ここで責任放棄をしたら内閣支持率は一気に下がる」と断言。合同部会でも「通すつもりもなく法案を出して衆院で採決しないのは最悪だ」などと見送り論への批判が上がった。
与党は19日に衆院で審議入りし、10月中に参院に送付したい考えだが、新テロ特措法への世論の支持がなかなか上がらないジレンマもある。会期末をにらみ、福田康夫首相が与党内の先送り論を押さえ込むリーダーシップを発揮することができるか、首相として初の試練が待ちかまえている。