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【産経抄】9月26日
このニュースのトピックス:論争「朝日vs産経」
けさはもう、前首相の肩書になってしまったが、2日前に病院で記者会見した安倍晋三氏のやつれぶりに驚かれた読者も多かったのではないか。連日、内政・外交ともに難しい決断を強いられ、メディアや野党から批判を浴び続ける首相という職業を長くこなすには、よほどの「鈍感力」が必要なのかもしれない。
▼あれほど安倍たたきに熱心だった朝日新聞もさすがに良心がとがめたのか「評価すべき点がなかったとは思わない」と言い出した。御為(おため)ごかしそのものだが、中曽根康弘元首相が「政治家は歴史法廷の被告である」と喝破するように政権の客観的な評価は、後世の史家に委ねるしかない。
▼安倍氏の祖父である岸信介元首相は安保反対のデモ隊だけでなく、財界主流派からも退陣を迫られ、石もて追われるごとく総辞職した。麻生太郎氏の祖父・吉田茂元首相も在任中は、「ワンマン宰相」などと蛇蝎(だかつ)のごとく嫌われた。高く評価されたのは両氏とも晩年になってからだ。
▼急遽(きゅうきょ)、リリーフに立った福田康夫首相は、安倍内閣の閣僚をほとんど居抜きの形で引き継いだ。総裁の座を争った麻生氏を支援した鳩山邦夫法相らも再任したのが唯一のサプライズ(驚き)という堅実ぶりだ。党内に波風を立てぬ手法で、だてに年はとっていない。
▼閣僚が居抜きなら政策もまた、居抜きでお願いしたい。安倍氏が手をつけた教育再生も国家公務員改革も緒に就いたばかりである。拉致問題の解決も重い宿題だ。」
▼福田氏独自の政策を打ち出し、国民に信を問うのは、次期衆院選の機会を待つのが筋だろう。対談で「最低4年、それ以上の時間を政権には与えていただきたい」と語ったことのある福田氏にとっては自明のことだろうが。