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【昭和正論座】福祉の“マイナス副作用” 学習院大教授・香山健一 昭和50年7月23日掲載 (1/4ページ)
このニュースのトピックス:東京都政
革新自治体から反省の弁
長洲一二神奈川県知事は、去る十日、軽井沢で開かれていた日本生産性本部主催のセミナーで講演し、「従来の革新自治体がとってきた“何でもタダ”という福祉行政の基本的なものの考え方は、改めなければならない。このまま住民の言いなりになると、老人医療の無料化で全国の病院は老人であふれ、乳幼児の医療無料化で全国の小児科病院はパンクしてしまう」と、これまで東京都など革新自治体のとってきた安易な行政姿勢を鋭く批判した。
「地域社会と企業」と題されたこの講演のなかで、長洲知事は「革新自治体はこれまで高度成長を批判しながら、この高度成長の恩恵を受けて福祉政策を行ってきたが、もはやこのような時代は終わった」と指摘したのち「革新自治といえども、いったい住民の要求通り何でも全部やるのが福祉か」と問題を提起し、「このまま進むと道路の工事だけにとどまらず、家庭内のふとんのあげおろし、朝晩の料理をつくる作業まで全部、革新自治体がやらなければならなくなる」と、福祉行政について、これまで革新自治体がとってきた安易な“何でもタダ”という考え方からの脱却の必要性を強調した。
これに続いて、飛鳥田一雄横浜市長も十三日からの全国革新首長会などで「低成長時代の福祉行政見直し論」を展開、「老人にバスの無料パスを出した。“善政だ”とかっさいを浴びたが、バスに乗ってみると若いものが座席を占め、お年寄りは吊り皮につかまってよろめいている。これでは“福祉のマンガ”としか言えない」、「タダにするだけの論理しかなければ民衆の無責任と怠惰をうむだけだ」、バラマキ福祉が「これまで思いつきや人気取りのために行われてきたきらいはなかったか」などと、革新自治体の総反省を訴えた。
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