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【正論】防衛費GDP1・5%に増額を 初代内閣安全保障室長・佐々淳行 (2/3ページ)
このニュースのトピックス:正論
「1%枠撤廃」を骨抜きに
防衛費については、かつて筆者も参加した大平正芳安保研(猪木正道議長)で、「GNP(国民総生産)」比1・5%という提言をした。これは不幸にして大平総理の急死に伴う鈴木善幸内閣の誕生で白紙になった。その後の1986年、中曽根康弘内閣の折、筆者は初代内閣安全保障室長として十数回にわたる安全保障会議の討議に加わった。マスコミあげて賛否両論が渦巻く中、後藤田正晴官房長官裁定で、「三木内閣の『GNP1%枠』はこれを87年度予算には適用しない」との玉虫色の閣議決定で、「3兆5170億円、前年度比5・2%増、GNPの1・004%」と決定された。
その時の1%枠撤廃論派の目標値は、大平安保研の1・5%だった。当時の安倍晋太郎総務会長は1・999%を、伊東正義政調会長と後藤田官房長官は1%を少し超す程度をそれぞれ主張。宮沢喜一大蔵大臣は1%枠撤廃に強く反対し、言葉の魔術師、竹下登幹事長が「三木内閣の決定はこれを次の予算には適用しない」という名言で締め、妥協が成立した。
ところがその後、泰平の時代が続き、1%を超えたのは23年間に3回のみ、あとは0・9%台で推移した。さらにバブルの崩壊、世界同時不況と続いて、すっかり経済・財政・金融政策が優勢となった。治安・防衛・外交は後回しになり、政治への無関心が広がる中で大蔵省(現財務省)は、防衛予算を削りに削った。MD予算を従来の防衛費に忍び込ませ、相対的な軍縮をはかる。いつの間にかGNPという概念そのものが「GDP(国内総生産)」にすり替えられた。PAC3(改良型パトリオット)は命中しない、陸上自衛隊は不用といった財政均衡論が支配的となってしまっていた。
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