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【主張】P3C派遣 情報共有して海賊抑止を

2009.5.29 03:16
このニュースのトピックス国会

 アフリカ・ソマリア沖の海賊対策で、船舶の警護などにあたる海上自衛隊のP3C哨戒機2機が活動拠点となるソマリアの隣国ジブチに向けて出発した。

 期待されるのは、その情報収集能力だ。海自の護衛艦の活動の支援に加えて、海賊対策に参加する他国部隊にも情報を提供しなくてはならない。

 自衛隊法の海上警備行動に基づいて現在、海自が行っている活動は外国船舶を対象としていない。これを理由に各国との情報共有を問題視する向きがあるが、それはおかしい。

 海賊対策には米国や中国、EU(欧州連合)などから20カ国以上が参加している。対象となるアデン湾は全長900キロ、航行する商船は年間2万隻に及ぶため、海賊船や不審船などに関する情報はきわめて重視されている。

 哨戒機を出している米、フランス、ドイツ、スペインとともに、日本も上空からの情報収集に乗り出すことによって、海賊船や不審船を探知し、海賊行為を抑止することができる。

 情報の共有により、海賊行為の多発地域を特定し、各国が手分けをして警戒するといった方法もとれるだろう。P3C派遣は、日本が国際社会の一員としての責務を果たすだけでなく、海上交通路の確保において実質的な役割を担うことでもある。

 海自の主力哨戒機であるP3Cは、日本周辺海域で不審船や東シナ海ガス田などの監視も行っているが、任務として海外に派遣されるのは初めてだ。

 ジブチ空港を拠点としてすでに活動中の護衛艦2隻とともに、6月中にはアデン湾で日本関連船舶の警護を始めることになる。この活動のために、海自、陸自合わせて約150人が派遣される。任務を完遂して、無事に帰国してもらいたい。

 問題は、海賊対処法案(海賊新法)の取り扱いだ。法案には外国船舶も保護の対象とする内容が盛り込まれている。しかし、4月23日の衆院通過後、1カ月以上も放置され、ようやく参院で審議が始まったばかりだ。このままでは、せっかく情報を収集しても、すべての船舶を保護対象とする活動に生かし切れないことになる。

 法案審議の遅れが、海賊対処活動の実効を妨げる事態を招きかねないことを与野党は認識し、早期成立に協力してもらいたい。

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