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【主張】海自派遣 任務完遂に解釈見直しを

2009.3.15 02:55
このニュースのトピックス主張

 自国の関連船舶や海上交通路(シーレーン)を海賊から守るという国家として当然の行為にようやく日本も乗り出した。海上警備行動に基づき、海上自衛隊の護衛艦2隻が14日、アフリカ・ソマリア海域に向けて広島・呉基地を出港した意味合いだ。

 2隻は4月上旬から、現地で日本関連船舶の護衛任務に就く。

 アジアと欧州を結ぶこの海域を航行する船舶は年間2万隻だ。うち約1割を日本関連船舶が占める。だが、これまでは他国海軍が護衛する船団に紛れ込んで安全を確保していた。日本船主協会は「現場の乗組員の安心感は計り知れない」と謝意を表明した。

 麻生太郎首相が海賊対処に海自を活用すると表明してから5カ月近いが、国際社会の共同行動に参加できたことを歓迎したい。

 護衛艦の乗組員は合計で約400人だ。海賊の逮捕など司法警察権を持つ海上保安官8人が同乗する。海自と海保が一体になって行動する初のケースだ。円滑な協力により成果をあげてほしい。

 問題は、自衛隊法82条による海上警備行動では、(1)日本関連船舶しか守れない(2)武器使用が正当防衛と緊急避難を除き、相手に危害を与えることはできない−と解釈されていることだ。

 近くで外国船が海賊に襲撃されていたとしても他国海軍に通報する程度しか対処できないという。近づいてくる海賊に対し、警告射撃を行っても抑止できない場合、一体どうするのか、などの問題点が山積している。

 これらは13日に国会提出された「海賊対処法案」で大筋打開できる。すべての船舶を保護対象としたことや、停船命令に応じず民間船舶に接近してくる海賊に船体射撃が認められる−との規定が盛り込まれているからだ。

 この法案の早期成立がいかに必要かを物語るが、それまで海自隊員は厳しい条件下で任務の遂行を求められる。ただ、海上警備行動は「海上における人命若(も)しくは財産の保護又は治安の維持のため」と規定されている。これまでの政府解釈は「守れるのは日本人の人命と財産」と狭く扱ってきたのではなかったか。外国船を守ることも治安維持と読めなくはない。

 麻生首相は呉基地で「任務を果たし、全員無事で帰ることを心から祈る」と訓示した。政府解釈の是正が首相の喫緊の課題であることを示していよう。

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