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論説メンバー新年を占う(上) (1/3ページ)
世界同時不況の拡大におびえながらの新年である。まもなく米国ではオバマ新政権がスタートする。不安と期待が交錯するこの1年はまた、過去の重大な出来事の区切りとなる「周年」が多く重なる。歴史は繰り返すと言うが、過去はまた教訓の宝庫でもある。論説メンバーが「周年」をキーワードに新年を占った。
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■ベルリンの壁崩壊から20年 世界秩序の枠組み再構築
ことし初めの世界にとって最大イベントは、何といっても「変革」を掲げるオバマ米新政権の発足であろう。新大統領は、少なくとも2つの歴史的節目と地球規模の課題に就任早々から取り組まねばならない。
第1は「ベルリンの壁崩壊」と「冷戦終結」から20年という節目だ。1989年に東西ドイツ間の壁が落ち、地中海のマルタでは米ソの首脳が冷戦の終わりを高らかに宣言した。
だが、イデオロギー対立の世界史が終わって自由と平和の時がくる−とうたわれた「平和の配当」「歴史の終焉(しゅうえん)」論など、当時の世界を包んだ楽観論は消えて久しい。21世紀の世界には国際テロ、大量破壊兵器の拡散、中東紛争、石油を武器にしたロシアの強権主義回帰など、ユーラシアや中東を軸にかつて以上の不安な地平が広がっている。
4月に創設60年を迎える北大西洋条約機構(NATO)の新戦略も注目される。アフガニスタンを「テロとの戦いの主戦場」と位置づけるオバマ氏は、欧州や日本にも確実に新たな貢献を求めてこよう。だが、米欧のアフガン補給線確保にはロシアの協力が欠かせない。NATO加盟を求める旧東欧諸国の扱いやミサイル防衛問題が米欧とロシアの駆け引きをさらに複雑なものにするだろう。
第2は中国が建国60周年を迎え、13億人のナショナリズムが最高潮に向かっていることだ。同じく国力拡大にひた走るインドの動きも見逃せない。米欧も日本も、20年前には予想もしなかった「アジアの世紀」に適した新たな海図を早急に描く必要がある。
環境、貧困、エイズなどの地球的課題への対応も待ったなしだ。自由と民主主義の価値を共有する国際社会が今年最大の課題とすべきは、現実的で望ましい世界秩序の枠組みを築き直すことだ。アジアの未来像や日米同盟のあり方を含む日本の進路も、そうした大きな構図に位置付けて考えたい。(高畑昭男)
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