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【主張】アフガン問題 リスク担う国際協力を 払拭したい軍事アレルギー

2009.1.3 02:44
このニュースのトピックス国会

 3隻の中国海軍艦艇が現在、アフリカ・ソマリア周辺海域に向かっている。海賊制圧のため、海南島から先月26日に出航したミサイル駆逐艦「武漢」などだ。肖新年海軍副参謀長は「責任ある大国としての姿勢を示す」と語った。

 中国が世界の平和と安定を積極的に守ると豪語する一方、日本は政争に足を取られ、立ちすくんでいるようにみえる。

 年末になって麻生太郎首相が海上自衛隊艦船の派遣を検討するよう指示したものの、日本の存在感の希薄さは否めない。

 日本の平和と繁栄は国際社会とともに歩んでいるからこそである。それなのに、そのコストとリスクをできる限り避け続け、つらくて厳しい任務を他国に押しつけてきたのが実像だ。

 海賊だけでなく、テロとの戦いは日本自身の問題である。これにどう立ち向かうのか、国のありようが根幹から問われている。

 ■安保理議長国の重み

 日本は2月から、国連安全保障理事会の議長国として、世界の平和と安定を取り仕切る役目を担う。史上最多となる10回目(合計20年)の非常任理事国を1月から務めているためである。

 議長は持ち回りとはいえ、日本は今まで以上に国際社会の平和と安全に貢献する責務を負う。

 直面する課題は、アフガニスタン問題や海賊対処などだ。いずれも日本が具体的行動を取っているか否かで発言の重みは違う。

 アフガンでのテロとの戦いについては、海自によるインド洋での補給支援が先月、改正新テロ対策特別措置法成立により来年1月まで延長となった。だが、最低限の責務を果たしたにすぎない。

 NATO(北大西洋条約機構)など41カ国は安保理決議によりアフガンに国際治安支援部隊(ISAF)約5万人を派遣している。犠牲者も1000人を超えた。

 一方で治安の確保により義務教育の就学人数が2001年の100万人以下から、07年には570万人に達するなどの実績も着実にあげている。

 問題は、日本の「安全第一主義」といえる自衛隊の派遣原則だ。派遣できる「非戦闘区域」を見いだすのは難しい。そもそも自衛隊を危険のない場所に派遣しようという原則に無理がある。

 今月20日、オバマ氏は第44代米大統領に就任する。同盟国としての負担を日本に求めてこよう。それで右往左往はやめたい。

 主体的な判断でアフガン支援に日本の持てる力を活(い)かすようにすればよい。リスクを取らざるを得ないときもあるかもしれない。当たり前の国として、当たり前のことを行う覚悟が必要だ。

 海賊対処についても、海上警備行動による自衛艦派遣は緊急避難的な措置だ。適切な武器使用規定を含め、すべての船舶を海賊行為から警護するための特別措置法か、自衛隊を随時派遣する恒久法をつくらなければならない。

 いずれのケースでも障害になるのは、「軍事」をタブー視する風潮があることだ。戦後の「絶対平和主義」の残滓(ざんし)は消えていない。法的な不備が放置されていることの要因でもある。

 海賊抑止も国連海洋法条約に明記されており、批准した1996年に国内法を整備しておかねばならなかった。海自に海賊抑止の任務を加えればよかったのだ。

 それができなかったのは、抑止に伴う警察活動である実力行使を内閣法制局が憲法解釈上、「武力行使と一体化する」との理由から認めようとしなかったためだ。

 だが、憲法で禁じられているのは、日本が第三国との紛争を武力で解決することであり、国連の枠組みは問題ない。

 ■内向きと政争で国滅ぶ

 こうした問題をいかに克服していくか。民主党が先にまとめたアフガン支援法案は廃案になったが、武器使用を国際基準にすることが盛り込まれていた。小沢一郎民主党代表はISAF参加への意欲を表明したことがある。

 首相と小沢代表とがいがみあっている状況ではない。衆院議員の任期は9月までだ。

 話し合い解散を前提に自民、民主が歩み寄らなければ解決できない懸案を片付ける合意作りは無理なのか。民主党は政権担当能力を示す好機にできる。

 内向きのまま、不毛な対立に明け暮れているようでは、亡国の道を突き進むだけである。

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