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【記者ブログ】総理番のお仕事番外・中国は麻生首相をどう報道しているか 福島香織 (1/5ページ)
■先週末、夜回りのタクシーの中で、ラジオが流れていて、麻生首相の漢字が読めないことや失言・放言の多さについて、パーソナリティーとコメンテーターがこき下ろしていた。すごいな、公共の電波で自国の宰相をここまでばかにできるなんて、中国人記者が聞いたら目を丸くするだろう。かの国ではこのラジオの100分の1の毒や批判ですら、番組制作者のクビがとび、労教(労働教養所労働による思想改造施設)おくりになりかねない。
■で、そのラジオを聞きながら運転手さんにも聞いてみる。「麻生首相をどう思う?」。そうそう、北京でもタクシー運転手さんと、よくこんなおしゃべりしたなあ、と思い出しながら。中国のタクシー運転手さんにこういう質問をすると、共産党は汚職だけらけでけしからん、という話でもりあがる。公共の場では、共産党万歳といっていても、外国人に対しては、共産党への不満を隠さない。
■で、その日、私が乗りあわせたタクシー運手さんの麻生首相評とは、「とてつもない金持ちですけれど、まあ、頭は並以下の人ですな」というものだった。「漢字が読めないのは、官僚の作った文章をそのまま理解しないで読むから。思いついたことをぱっぱっといってしまう人だ」とも。
■福島「でも、ブッシュ大統領も失言で有名なんですよ。英語のスペルもよく間違って、ブッシュ英語と国民から笑われていたけど、8年も大統領勤めあげた」
運転手「ブッシュさんも頭が悪かった」
福島「だからアメリカの経済が悪くなった?」
運転手「麻生さんだと、日本の経済どうなるんですかねぇ。いまひとつ不安です」
福島「周囲のブレーンの意見に耳を傾ける柔軟さがある方が、なまじっかな切れ者よりいいうまく行く場合もある」
運転手「麻生さんの経済ブレーンって誰ですか」
福島「…誰だろう?与謝野さんとか?」
運転手「あまり、頼りになりそうではないですね」
福島「なら、民主党の小沢さんがいい?」
運転手「あの人はダメダメ」
福島「なぜ?」
運転手「小沢さんは本当にダーティな人。あんな人に任せたら日本は食い物にされる。頭はよさそうですが、腹黒すぎる」
福島「麻生さんはクリーンなのか」
運転手「まあ、もともととてつもない金持ちですから、そんなに金に執着するタイプではないでしょう」
福島「クリーンだけど切れ者でない、切れ者だけどダーティ、どちらかをリーダーに選ばねばならないとしたら…」
運転手「うーん、クリーンな方ですね」
このあたりは、いずこも同じ感情だろうか。
■閑話休題。国家指導者のイメージと外交について、今エントリーでは考えてみたい。日本では最近はもっぱら失言とか迷走とかのキーワードで、嘲笑の対象のように報じられることの多い麻生首相。海外で麻生首相はどんなイメージで見られているのか。特に、私の前の勤務地であった中国では、麻生さんはどんな評判なのか。まず、最近の中国記事で麻生首相ネタをひろってみる。
■環球時報の特約記者は、共同通信やワシントンポストを引用しながら金融サミットでの麻生首相について次のように報じていた。
「先週のワシントンで開かれた金融サミットでは、世界のメディアは日本にさほど注目しなかった。日本メディアはこれを反省の思いをこめて、宣伝不足だったとしている」