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【主張】福田首相辞意 空白抑え強力な政権を 党利党略超えた政治に戻せ

2008.9.2 03:14
このニュースのトピックス国会

 福田康夫首相が辞意を表明した。8月2日に改造内閣を発足させたばかりであり、12日に臨時国会を召集すると言明しただけに突然の政権投げ出しは無責任の極みである。きわめて残念だ。

 国政の停滞は一刻も許されない。自民党は後継総裁を迅速に選出しなければならないが、国家の危機ともいえる状況を打開できる指導者をなんとしても擁立する責務がある。派閥の論理などが横行するようなことがあれば、国民からそっぽを向かれよう。

 首相は辞意の理由について臨時国会を乗り切ることが困難と判断したことを示唆した。与党の公明党は国会の召集や会期幅に関し、首相の意向を無視するような対応に終始した。小沢一郎民主党代表も依然として、対決路線を鮮明にしている。

 いずれも早期の解散・総選挙に追い込むための党利党略が絡んでいる。与野党とも日本が抱える内外の諸懸案の重みを考え、国民の利益や国益を実現することを最優先しなくてはならない。

 首相は公明党との間で厳しい意見調整を強いられた。首相が議長を務めた主要国首脳会議(洞爺湖サミット)の後、内閣改造や臨時国会の召集時期などだ。

 ≪無責任な政権投げ出し≫

 その理由は、インド洋での海上自衛隊による給油支援を延長する新テロ対策特別措置法改正案の取り扱いについて、公明党が衆院再議決を前提として臨時国会で成立させることに強く反対したことにあった。

 さらに、公明党が首相の意向を受け入れない底流には、年末・年始に衆院解散・総選挙を行いたいという党の都合を優先したことがあったといえる。「現体制で総選挙を戦えるのか」と首相を突き放すような言動も散見された。

 8月末にまとめた総合経済対策に、選挙対策の狙いが露骨で、財政規律の緩みを象徴するような定額減税の年度内実施が盛り込まれた。これも公明党の強硬な主張に屈したものといえる。

 もとより、政権運営に困難をきたした原因は、ねじれ国会の下で民主党が政策協議を拒否する姿勢を崩さなかったことにある。インド洋でのテロとの戦いは中断を余儀なくされ、日銀総裁の空席という事態を招いて国際的信頼も失墜した。

 こうした苦境をしのいでいくうえで、衆院の3分の2以上の勢力を構成する公明党との連立関係は不可欠だった。しかし、その公明党が急速に独自性を強めたことが、首相を窮地に追い込んだことは間違いないだろう。

 首相は小沢代表に対し、「国のためにどうしたらよいのかを話し合いたかった」と述べた。

 小沢氏は1日の記者会見で代表選(8日告示、21日投開票)への出馬を表明した。代表選は他に立候補の動きはなく、小沢氏の無投票3選は確実だ。

 ≪小沢代表は国を語れ≫

 小沢氏は「民主党が新しい政権をつくるしかない」と政権交代への決意を強調したが、自らの政権構想などについては21日の代表選出後に説明すると述べた。

 これは小沢氏にすべての政策や党運営を一任することを意味するが、代表決定前にもっと党内で基本政策を論議すべきだ。

 小沢代表の掲げる政策や政治手法に関し、党内でも疑問を持つ人は少なくないだけに民主党が好機を活用しないのは残念だ。

 小沢氏は告示などの機会をとらえ、日本をどうするかなどを明確に国民に説明する責務がある。民主党代表が首相候補であることを考えれば当然だ。

 首相は在任中、平成21年度から道路特定財源を一般財源化する方針を打ち出した。道路行政を大きく転換するものであり、道路族議員が強い影響力を持つ自民党政権下では画期的な判断だったといえよう。

 政権発足からまもなく、小沢代表との間で極秘の党首会談を重ね、大連立構想をめぐる話し合いを行ったことは、今後の政界再編の可能性を示唆するものだったと位置付けられよう。

 インド洋での給油支援再開のためなどの衆院再議決に踏み切ったのも福田首相だった。責任ある政治を遂行しようという意欲はやはり評価したい。

 首相は自らの続投より、新たな陣容による懸案の解決を求めた。それを無にしてはなるまい。

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