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【記者は見た 北方領土の今】(下)ガラス細工の「信頼」 (1/4ページ)
このニュースのトピックス:北方領土問題
北方領土を不法に占拠するロシア人の生活は、おせじにも豊かとは言えない。まず驚くのは、道路が舗装されていないことだ。乗用車(ほとんどが日本の四輪駆動車)に乗って気を抜いていると、すぐに舌をかみそうになる。車が走り過ぎれば、たちまち砂ぼこりが舞う。ビザなし交流の訪問中は晴天に恵まれたが、雨が降れば道路はぬかるみに一変するという。
建物もバラック小屋のような平屋か、せいぜい2階建てで、「辺境の地」を感じさせるには十分だ。総勢63人の訪問団が宿泊できるホテルもないので、宿泊はすべて船の中。この480トンの船が入港できる水深をもった港もなく、船は常に沖合に停泊し、「はしけ」で港に入る。
訪問団に参加した村井友秀防衛大教授によれば、この雰囲気は世界有数の辺境で、「モンゴルの田舎とだいたい同じだ」という。商店といっても、国後の古釜布や択捉の紗那など、中心地域のごく一部に10軒程度固まっているに過ぎない。過疎化が進む日本でも、ここまでひなびたところを探すのは、なかなか難しい。
対照的なのがロシア人の身なりで、決して悪くない。交流事業で訪れた家庭も、床には高級そうな絨毯が敷き詰められ、ベッドなどの調度品がそろい、液晶テレビなどの家電も充実している。5人家族で4LDKはある。外観は、いまにも崩れそうな古びたアパートなのに、中は平均的な日本人家庭の生活レベルと変わらない感じだ。村井氏は「ロシアを見るときに、外見のボロさに惑わされて実力を見誤らないようにしないといけないと心に強く感じた」と感想を漏らした。
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