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【記者は見た 北方領土の今】(上)存在しない領土問題 (1/3ページ)
このニュースのトピックス:北方領土問題
日本固有の領土、北方四島に在住するロシア人との交流を目的とした元島民ら日本人によるビザなし訪問(団長・大塚敏夫連合総合組織局長、63人)が6月30日〜7月4日の5日間、行われた。訪れた国後、択捉両島は原油高騰の好景気を後ろ盾にした経済計画で着実にロシア化が進むと同時に、日本の影も確実に消えつつあった。主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)期間中の8日に行われた日露首脳会談でも、問題解決に向けた大きな進展はなかった。そんな“異国の地”と化しつつある両島の現状を3回にわたりお伝えする。(酒井充)
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記者にとって初めてのビザなし訪問で、最初に待ち構えていたのは予想外の手続きだった。6月30日の出発にあわせ、前日に船の出港地となる北海道根室市に入り、さっそく訪問を実施する独立行政法人「北方領土問題対策協会」(北対協)の受付があるホテルに向かった。すると「持込荷物リスト」と書かれた1枚の紙を手渡された。
紙に書いてある説明では、「北方四島で入・出域の手続きの際、四島側の税関に提出する手荷物リスト」だという。要するに「出入国」に必要な手続きである。訪問時に持ち込むたばこやアルコール飲料、デジタルカメラなどを書き込むよう指示があった。
日本国内を移動するだけなのだから、パスポートもビザもいらないのはもちろん、「入管」手続きだって必要ないはずだ。しかし、それはあくまでも建前。「入管手続き」は必要、それが現実だ。
政府は北方領土を「日本固有の領土」と主張する。当然北方四島を不法に占拠するロシアの管轄下にあることも否定する。それにもかかわらず、北方四島への「入国」(日本側は入域と呼ぶ)手続きを是認することは、ロシアの管轄権を容認していることになる。




