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【櫻井よしこ 福田首相に申す】日本の地位沈めた言動 (1/3ページ)
主要国首脳会議は社交の場ではない。華やかさと友情の演出のなかで、「お友達のいやがること」も問題提起して、国益を懸けて闘う場である。福田康夫首相は、洞爺湖サミットを、国際社会での地位低下が著しい日本国の威信回復の場ととらえ、大いに奮闘しなければならなかった。だが、首相の言動は日本の地位をさらに沈下させたにすぎない。
それにしても、今回の福田外交は一体、何なのか。北方四島の所属する北海道を初めてロシア大統領が訪れたのだ。G8の首脳が一堂に会する全体会議で、なぜ、現在も続くロシアによる領土の不法占拠を議題にしないのか。
日露2国間の約1時間の協議で、首相はメドベージェフ大統領を“ドミトリー”とファーストネームで呼んだそうだ。その“ドミトリー”と“ヤスオ”の合意は、領土交渉を加速する「決意」だった。
決意したからには、「法律家のメドベージェフ氏は真剣に取り組むはずだ」と、外務省幹部が「手放しに評価」したそうだ。そうした助言に福田首相は納得しているのであろう。だが、同大統領に領土問題について国際法に基づいたまともな判断を期待するのは、まともな政治家のすることだろうか。
メドベージェフ大統領は、武闘派のプーチン首相と異なって、比較的リベラルだと伝えられてきた。法の支配を尊び、汚職対策の強化などでロシアを法治国家に変身させると、氏は唱えてきた。だが氏の行動は、言葉とは裏腹だ。ガス独占企業、ガスプロムの会長として、大統領府長官として、あるいは第一副首相として、氏はロシアが犯してきた多くの信じ難い、自由や民主主義や法治国家への重大な挑戦を黙認してきた。
日本との関連でいえば、三井物産、三菱商事が9000億円を投資し、ロイヤル・ダッチ・シェルとともに、ロシア政府の許認可を得て開発に乗り出した大規模石油・天然ガス開発事業、「サハリン2」がある。同案件は今年の完成に向けて75%超の工事が完成済みだった。それが一昨年秋、突然、事業化の承認を取り消され、経営権をガスプロムに奪われた。
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