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【主張】6カ国協議 拉致解決迫る原則を貫け
北朝鮮の核計画申告を受けた6カ国協議首席代表会合が北京で再開される。協議の柱は申告内容の評価と検証方法を詰めることだが、日本は拉致問題を進展させることも忘れてはならない。
核申告問題の焦点は、抽出されたプルトニウム量の精査と核施設の検証だ。北朝鮮は抽出した31キロのうち約25キロを兵器化に使い、核実験で約2キロを消費したと申告したという。だが、保有核兵器数の申告は拒んでおり、またこれらの数字が偽装や過少申告でないという保証もない。
核施設の査察には国際原子力機関(IAEA)や米中露の専門家を投入したり、北朝鮮技術者らの直接聴取が欠かせないが、北朝鮮は一部に難色を示している。核物質の総量を確定し、その隠匿を許さないためには関係者や関連施設の厳密な検証査察が不可欠だ。
核無能力化と申告の見返りとして、北朝鮮は来月11日に発効する米国のテロ支援国家指定解除と重油95万トン相当の経済・エネルギー支援の履行を求めてくるだろう。それだけに、申告の評価と検証にいささかも手抜かりがあってはならない。重大な偽りやごまかしがあれば、5カ国側は見返り措置を直ちに停止し、申告をやり直させる強い決意で臨むべきだ。
それでなくとも、今回の申告で核兵器数、ウラン濃縮、第三国への拡散の解明は不完全な形で先送りされた。さらに、米国が指定解除手続きに入ったことで拉致問題が置き去りにされる懸念が深まったのはきわめて遺憾である。
しかも北朝鮮は先月の日朝実務者協議で拉致の「再調査」を約束した。にもかかわらず、今日まで何の動きもない。
町村信孝官房長官は6カ国協議で拉致に関する日朝協議の可能性について「特に予定はない」と述べたが、指定解除の是非と拉致問題の行方には日本国民だけでなく、米議会でも懸念や懐疑論が高まっている。日本政府も受け身で待つのではなく、北朝鮮に繰り返し回答を要求していくべきだ。
今回の協議で北朝鮮は日米を分断させ、経済支援などで日本の孤立化を狙う可能性が強い。日本政府は拉致問題の進展なしには一切の支援に加わらない原則外交を堅持することが肝要だ。
核申告問題でも、安易な妥協に陥らないように、日米の結束を固めて万全な検証体制をめざしてほしい。