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【正論】「集団的自衛権」の解釈変更を 拓殖大学学長・渡辺利夫 (1/3ページ)
日米同盟の脆弱性露呈
日米同盟は日本の安全保障の「基軸」である。しかしNATO(北大西洋条約機構)などに比べると相互防衛条約としての性格は弱い。相互に不信と猜疑(さいぎ)が生まれれば毀損(きそん)されかねない脆弱(ぜいじゃく)性が日米同盟にはある。日米が相互に守るのは日本の施政下にある地域に限定され、何より集団的自衛権に関する日本の解釈が日米同盟を損ねる危険な可能性を秘めている。
米ソ冷戦時代にあっては日本に存在する米軍基地の戦略的重要性は決定的であり、片務的な条約であっても存在理由は十分にあった。しかし冷戦崩壊とともに日米が共同して防衛すべき対象が不鮮明となり、日米条約の在り方について過去の解釈を踏襲していては危うい。
集団的自衛権についての日本政府の解釈は「わが国は独立国として集団的自衛権を保有するが、それを行使することは自衛の限度を超え、したがって憲法上許されない」というものである。“保有するが行使できない”などというのは誰がどう考えたって奇妙な論理である。そういう論理が許されるような「太平楽」な安全保障環境が長くつづいたというだけのことである。
集団的自衛権は国連憲章51条で諸国家に固有の権利として認められ、日米安保条約の前文でも日米双方が集団的自衛権を保有する旨が明記されている。日本国憲法第9条はもとより、国内法のどこをどう探してみても集団的自衛権を禁止する文言などない。
期待にたがわぬ安保懇
北朝鮮が6カ国協議の議長国・中国に核申告をしたという事実を受けて米国は北朝鮮をテロ支援国家指定国から解除するという挙に出た。申告がプルトニウムを中心とし、日本が最も知りたい核兵器保有の数や場所などを含まないと知った上での指定解除である。日本の米国に対する不信の高まりは避けられないが、米国の方にも集団的自衛権行使に踏み切れずにいる日本への不信が根強い。

