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【安全保障読本】「信賞」なき自衛官の名誉 (1/3ページ)
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米中枢同時テロ後、海外派兵した英軍戦死将兵の帰還を報じたBBC放送の特別番組は崇高で、しかも厳かであった。
空軍輸送機から国旗にくるまれた棺(ひつぎ)が、担いだ6人の兵士を媒介として祖国の土を踏む。棺を迎えた柩車(きゅうしゃ)は遺族・友人らの前をゆっくりと進み、やがて基地の彼方(かなた)へと消えていく。画面隅に遺影と軍歴が映し出され、アナウンサーも低く、ゆっくりとした声で英霊の生涯をたどる。「名誉の戦死」であり叙勲は疑いもないが、彼らは生前も武勲に応じ叙勲の栄に浴している。
平成19年4月に参列した陸上自衛官4人の葬送式・式次第を今も持っている。4人は、視界200メートルという海上濃霧警報の中、緊急患者空輸のため、大型ヘリで離島に向かう途中墜落、殉職した。機長は定年間近、整備員は妻と入籍して1年だった。式次第に載った遺影は所属部隊が徹夜で「作った」。4人が2階級特進したため、階級章を変える必要があったからだけではない。せめて「顕著な功績」があったとして贈られた“メダル”の「防衛功労章1級」と「防衛記念章1級」で胸を飾りたいと願ったからだ。「せめて」には説明が必要だ。