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【産経抄】6月25日
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≪「何がいけなかったんだね?」とブッシュは訊いた。「なぜわれわれはこれほどの間違いをおかしてしまったのか?」≫イラク戦争の内幕に迫ったノンフィクション「カーブボール」(ボブ・ドローギン著・産経新聞出版)で最も印象的な場面だ。
▼大統領が質問した相手は、開戦の翌年、米国を戦争に駆り立てたイラクの大量破壊兵器情報が誤りだったと米議会で証言したデービッド・ケイ氏。当時、大統領補佐官だったライス女史からホワイトハウスに呼び出された彼はこう答えた。簡単な情報収集技術、基本的分析、CIA(米中央情報局)上層部の指導力という点で、想像を絶する失敗があった、と。
▼今また米国は、基本的分析の誤りから対北朝鮮政策で同じ轍(てつ)を踏もうとしている。あす、北朝鮮は核計画の申告書を提出するが、肝心の核兵器に関しては何も記述がないという。そんなしろものでも米政府は「行動には行動を」と称してテロ支援国家指定解除を米議会に通告する手はずになっている。
▼テロ支援国家の指定が解除されれば、経済援助が解禁されるだけでなく、米朝国交正常化も現実味を増す。功名心の強いライス女史には、福田康夫首相の仏頂面より金正日総書記の笑顔の方が魅力的なのだろう。
▼日本でも前首相から「利権政治家」と痛罵(つうば)された面々が、拉致より国交バスに乗り遅れるな、と軽挙妄動するのは火を見るより明らかだ。一向に支持率のあがらぬ首相が彼らの尻馬に乗って訪朝を考えても不思議ではない。
▼それにしても首相が大統領に電話ひとつかけられない同盟とは一体なんなのか。来年の今ごろ、ご両人が「なぜわれわれはこれほどの間違いをおかしてしまったのか?」とほぞをかまぬよう祈るばかりだ。