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【主張】日中ガス田合意 やっと対等の交渉可能に
東シナ海のガス田問題で、日中中間線付近の「翌檜(あすなろ)」(中国名・龍井)と「白樺」(同・春暁)の2つのガス田を日中両国が共同開発することで合意した。
「翌檜」は5対5の対等で共同開発し、「白樺」は日本側が出資比率に応じて権益を得ることになる。日本が主権的権利を持つ海底資源を一定程度、確保できたことは評価したい。しかし、残る2つのガス田の共同開発は合意に至らず、主権にかかわる境界線の画定問題は棚上げされたままだ。
中国はこれまで、中間線から中国側の排他的経済水域(EEZ)は自国で単独開発し、中間線から沖縄トラフまでの日本側EEZを共同開発しようという身勝手な主張を繰り返してきた。それに比べれば、少しは中国が日本に歩み寄ったように見えるが、全面解決にはほど遠い。やっと対等な話し合いを行うスタートラインに立ったと認識すべきである。
中国外務省は、「白樺」について「ガス田は中国主権の範囲内にある」と述べ、日中中間線についても「認めない立場に変わりはない」としている。中間線から沖縄トラフまでも自国のEEZとみなす中国の主張は、従来と少しも変わっていないのだ。
この海域には、日本固有の領土である尖閣諸島が含まれる。これまでのガス田交渉で、中国は尖閣諸島付近の共同開発を提案してきたこともある。日本として、到底容認できない主張である。
2000年12月、ベトナム東部のトンキン湾の中越係争海域で、中間線近くを境界線とすることで両国が合意した。ベトナムが大陸棚が延びる海南島付近までを自国の海だと主張したのに対し、中国は国際判例を根拠に中間線を主張し、中国の言い分が通った。
当時の中国の主張と、今回のガス田問題での中国の主張は、矛盾している。中国は国際法や判例を都合良く利用することもあれば、無視することもある。
中国は1992年、国内法の領海法で尖閣諸島を一方的に自国領土と明記した。日本も昨年4月、EEZ内での試掘を可能にする法律と海洋政策強化のための海洋基本法が成立した。遅すぎた感はあるが、国内法整備でも、ようやく中国に追いついたといえる。
尖閣諸島の統治強化を含め、今後も、原則を譲らない毅然(きぜん)とした対中外交を求めたい。