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【主張】福田ビジョン まずは米中の参加不可欠

2008.6.10 03:53
このニュースのトピックス主張

 「福田ビジョン」が発表された。7月に北海道の洞爺湖で開かれるサミット(主要国首脳会議)で、福田康夫首相が表明する日本の地球温暖化対策の指針である。

 将来の世代のために、世界が低炭素社会に向けて舵(かじ)を切ろうという呼びかけは、説得力に富んでいる。内容の充実度を評価したい。

 二酸化炭素に代表される温室効果ガスの削減では、2020〜30年ごろの中期目標を日本がどの程度に置くかが注目されている。

 これについては、日本が編み出したセクター(産業分野)別アプローチに基づいて各国が国ごとの総量目標を設定できるよう働きかけるとともに、日本の目標は来年中に発表するという。

 サミットの成功を重視するあまり、日本が過大な負担を引き受けるのではないかと拙速性が危惧(きぐ)されていただけに、一安心だ。

 ビジョンは、低炭素化を実現するための具体的な取り組みのひとつとして、技術革新を挙げている。これは環境技術先進国・日本の得意とするところだ。サミットで福田首相が提案する「環境エネルギー国際協力パートナーシップ」に注目したい。

 ビジョンでは、二酸化炭素をほとんど排出しない「ゼロ・エミッション電源」を重視している。

 太陽光や風力などの自然エネルギーや原子力の比率を50%以上に高める野心的なプランである。それには原子力発電の稼働率を上げる施策が必要になるだろう。

 排出量取引については、実際に削減効果があって、マネーゲームに陥ることのない健全性を求めている。今秋に排出量の国内市場を試験的に開始するとしているが、手段と目的の逆転が起きないよう、細心の注意が必要だ。

 洞爺湖サミットで議長国の日本が果たすべき最大の役割は、2大排出国でありながら対策が遅れている米国と中国、さらにはインドなどの途上国を削減の枠組みに招き入れる道筋をつけることだ。

 この点で、サミット初日にちなんだ7月7日の「クールアース・デー」設定に期待したい。美しい天の川を眺めるために一斉消灯も行う地球環境の日だ。

 七夕伝説は、もともと中国から伝わった。織り姫と彦星の出会いを、米国と中国の歩み寄りに重ねて説得する手もあるが、現実の国際交渉は極めて厳しい。福田外交の腕の見せどころである。

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