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【正論】緊急事態基本法の成立を急げ 初代内閣安全保障室長・佐々淳行 (2/3ページ)
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安保会議法案も廃案に
有事に際して総理に非常大権を、官房長官に調整権を与える同法案は、安倍(自)、冬柴(公)、藤井(民)の3党幹事長署名入りの合意文書ができ、可及的速やかに直近の国会会期中に可決成立の運びとなっていた。
しかしこの法案は小泉総理の「8・8郵政解散」で吹き飛び、安倍内閣においても、国会衆議院の3分の2、世論支持率70%でなお可決の可能性があったのに後回しにされ、立ち消えになった。
そして「舵手」安倍晋三氏の不慮の早期退陣で生まれた福田康夫内閣は、憲法改正の動きを止め、集団的自衛権論議を凍結し、日本版NSC(国家安全保障会議)新設のための法案を廃案とした。参議院選挙の歴史的大敗によって衆参両院の「ねじれ現象」が生じ、日本国家危機管理体制の確立は、一大頓挫を来した。
そしてガソリン税や道路特例法という、国家危機管理という高次元の観点からみれば些事(さじ)ともいえる生活関連財政法案に、一度ならず二度までも過去一度しか使ってない憲法第59条による「みなし否決」と解して衆議院の3分の2による再可決という「牛刀ヲ以テ鶏ヲ裂ク」過ちを犯した。「憲法第59条」とは、憲法改正、防衛出動下令、日米安保条約改定など、日本民族の存亡と国民の死活にかかわる法案が、「ねじれ」により滞ったときに抜かれるべき日本憲法の伝家の宝刀で、56年前一度だけ使われた。
強い指揮権の確立が急務
日本財政大改革のため21特別会計368兆円をすべて一般会計に組み入れるためならともかく、たかが5兆円のガソリン税ごとき急場凌(しの)ぎの弥縫(びほう)策のため「みなし否決」の衆議院3分の2再可決は憲政の自殺行為に等しい。衆参の「ねじれ」は向こう5年、いや11年続く。

