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【風を読む】論説副委員長 中静敬一郎

2008.6.2 08:24

 米上院軍事委員会公聴会の3月11日のやりとりは、日本人にある事実を想起させる意義があった。

 その事実とは、中国が沖縄県を日本の領土として認めていないことだ。台湾も公式声明で認めていない。中国は明示に至ってないが、3年前、北京大学教授が中国誌「世界知識」に「琉球の地位は未確定」との論文を寄稿した。

 こうした日本人ですらほとんど知らない領土問題に公聴会で言及したのはジム・ウェブ上院議員(民主党、バージニア州)だ。米太平洋軍のキーティング司令官(海軍大将)にこう尋ねた。

 「中国は尖閣諸島を要求している。中国は、琉球が日本の一部であることを一度も認めたことはない。彼らは琉球で1960年代末から活発に動いている。中国の拡張行動の兆候をどうみているか」

 司令官はこれに応じて、中国海軍高官からハワイを境に米中が太平洋を東西に分割管理するのはどうか、と提案されたことを明らかにした。

 沖縄県の地位を中台が問題にするのは、日本が受諾したポツダム宣言に「日本国の主権は本州、北海道、九州、四国並びに吾等(われら)の決定する諸小島に局限せらるべし」との一節があるからだ。「吾等」の一員であり、かつての宗主国を関与させずに、日米間で沖縄返還を決めたことへの反発が色濃くにじんでいる。

 福田康夫首相は先月、太平洋を沿岸国による「内海」とする構想を打ち出した。

 だが、「尖閣」どころか、沖縄県にすら自らの権益を主張する国がある現実をまずは見据えなくてはなるまい。

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