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【主張】自衛隊機派遣 日中の問題点克服しよう
中国・四川大地震の被災者救援にむけた航空自衛隊の輸送機の派遣見送りは、日中関係が抱える問題点などを浮き彫りにした。
準備を進めていた空自にとっては肩すかしになったが、4500万人以上が被災した大地震の惨状はさらに広がっている。テント、毛布、食糧などは極端に不足している。日本としては日中政府間で積み残しの課題があるにしても、持てる力をすべて発揮していきたい。
派遣見送りに町村信孝官房長官は30日の記者会見で、「中国国内で一部慎重論が出ていることに考慮した」などと説明した。
中国には米国やロシアなどの軍用機が援助物資などを運んだのに続き、29日には韓国空軍のC130輸送機3機がテントや非常食などを積んで成都に到着している。結果的に中国が日本だけを拒否した形になったことは否めない。日本の国民感情を傷つける結果になったともいえ、残念である。
旧日本軍との関係や反日教育の結果、自衛隊への反感が中国国内に根強く存在するという。
今回も日本のメディアが自衛隊派遣を取り上げると中国のインターネットで批判的な書き込みが相次いだ。「軍靴を履いた日本人を中国に入れることは絶対に不可能だ」などと批判する一方、「援助に感謝する」「ありがとう日本」などと日本の支援に感謝する意見も少なくない。
感情的な反発に走るだけでは両国間に真に建設的な関係を構築することはかなわない。中国側には国内政治への思惑もあったのだろうが、自衛隊を受け入れることで過去のわだかまりを払拭(ふっしょく)する好機にしてほしかった。
自衛隊の被災民支援や人道復興支援活動は、現地の人たちと同じ目線に立つなどして派遣先での住民の信頼を勝ち取っている。中国も国際公共財といわれる自衛隊に学ぶ意味合いはあった。
日本としては、国際緊急援助隊法による自衛隊派遣には中国政府からの要請を待たざるを得なかったわけだが、諸外国の対応に比べるといかにも鈍い。事前の交渉も甘かった。災害支援はスピードが勝負だ。手続きなどを含め必要な見直しを行うべきだ。
政府は自衛隊機に代え、民間チャーター機でテントなどを輸送する方針だ。一刻も早く届けてあげたい。即応性と熟練度の高い自衛隊の活用は大きな課題だ。