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【主張】防衛省改革 実効性ある「混合組織」を

2008.5.22 02:53
このニュースのトピックス主張

 防衛省がまとめた改革案が、首相官邸に設置された防衛省改革会議に提出された。

 改革案は防衛省・自衛隊の組織を根底から変えるものだ。内局(背広組)と陸海空の各幕僚監部(制服組)の政策立案部門を統合し、3つの機能に再編、いずれも背広・制服組の混合組織にする−とうたっている。

 防衛省・自衛隊が多くの問題を抱えていることは事実だ。先の戦争で旧軍を統制できなかったことが、背広組(文官)が制服組を押さえ込む「文官統制」の悪弊をもたらし、守屋武昌前防衛事務次官の汚職事件の一因にもなった。制服という軍事専門家が、自衛隊の運用などが絡む基本方針の策定から原則排除されるという不可思議なこともまかり通っている。

 これらを大胆に見直そうという改革案の方向性は評価したい。防衛相を補佐する防衛参事官は背広組しかなれないが、改革案はこの制度を廃止し、政治任用の「防衛補佐官」新設を打ち出した。背広組と制服組が防衛相を補佐する新たな防衛会議設置も当然だ。

 問題は、防衛省・自衛隊の中央組織を「政策企画立案・発信部門」「運用部門」「整備部門」の3つに集約することに加え、各幕僚監部の機能をどうするか。

 改革案は各幕僚監部の機能については結論を出さず、現状維持と縮小案などの列記にとどめた。3機能ともすべて内局に組み入れる案と、「運用」「整備」は特別組織にする案を併記した。

 防衛省内ですらまとめきれないところに問題の複雑さと実現の困難さがうかがえる。

 改革案が強調する「自衛隊全体での最適化」を実現するためには混合組織が望ましい。総力を挙げて取り組まねばならない問題や懸案が山積しているからだ。

 一方で陸海空の幕僚監部を解体するデメリットも小さくない。陸海空の「1軍」化は諸外国で失敗したケースが散見される。

 防衛省改革会議は改革案を踏まえ、6月に報告書を提出するが、検討課題は(1)文民統制の徹底(2)厳格な情報保全体制の確立(3)防衛装備調達の透明性確保−の3点だ。組織再編の取り扱いは明確になっていない。国家防衛組織を国民のためにいかに活用し、実効性をもたせるか、改革会議が取り組まねばならない最大の課題だ。

 国民の理解も必要なだけに論点を積極的に提起してほしい。

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