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【正論】「胡訪日」以後 次のステップへの可能性も 同志社大学教授・村田晃嗣 (3/3ページ)
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中国の30年前の発想
これに中国側のセンスの悪さが加算されている。まず、パンダである。中国国家主席の10年ぶりの来日で、非公式とはいえ、最初の首脳会談でパンダのレンタルを話題にする必要が、果たしてあっただろうか。これは日中友好の演出のつもりなのだろうが、むしろ「パンダほしさに中国に妥協する必要はない」という反発を誘発している。
次に、ピンポンである。早稲田大学で、胡主席は人気の福原愛選手とピンポンに興じた。当初は、福田首相も参加する計画があったという。首相がこれに参加しなかったのは、まことに「不幸中の幸い」である。首相も承知のように、そんなパフォーマンスが好評を博するような政治環境には、まったくない。パンダにしろピンポンにしろ、広報外交としては、発想が30年以上遅れている。
30年古いといえば、最近、河野洋平衆議院議長を実力で阻止しようとした野党議員の無様(ぶざま)な姿も、遠い昔を彷彿(ほうふつ)とさせるものであった。こうした内政の中での苦しい外交であることは、筆者も十分に理解している。
けれども、メディアや世論の無理解と移り気に、政府をあずかる人々がすねてみたとて仕方がない。前首相がチベット問題を話題にしたことを、職を投げ出した者の気楽さとすませず、公式外交の補完とするような戦略性が、福田外交には求められていよう。(むらた こうじ)

