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【正論】「胡訪日」以後 日米同盟と中国の微妙な関係 杏林大学客員教授・田久保忠衛 (3/3ページ)
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中国と接近した米政権
嘆かわしいことながら、与野党を通じてこのような危機感を持っている向きは何人いるか。当面の政局か自分自身の利益のために、一時的にせよインド洋における海上自衛隊の引き揚げという全く無意味な所作に出たり、「関係改善を先方から申し出ているのに中国を刺激してはならぬ」などの政治家風を吹かす向きの何と目立つことか。
日米同盟が簡単に崩れるとは思わないが、日米対中国の対立の構図は不動とは言い切れない。ブッシュ政権の対中政策はとりわけ2期目に入ってから中国との距離を縮めたと考える。2005年12月にゼーリック国務副長官が中国に対して「責任ある利害共有者(stakeholder)たれ」と呼びかけ、以後この言葉は米政府の公式文書に使用されている。同副長官は2006年5月10日の下院で台湾の独立に反対し、「独立は戦争を意味し、戦争は米兵士(の犠牲)を意味する」と述べた。
これは大統領の発言にもなり、中国の主張に重なる。同盟は決して恋愛感情で成立しているものではないと覚悟しておきたい。(たくぼ ただえ)

