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【一筆多論】小林毅 新三無主義を吹き飛ばせ (1/2ページ)
このニュースのトピックス:橋下府政
かつて「三無主義」という言葉があった。「三無」とは「無気力、無責任、無関心」のことであり、昭和40年代後半の若者の姿勢を批判したものである。戦後の復興に懸命に取り組み、高度成長を実現した人々が、苦々しい表情で次代を担う若者をみている姿が目に浮かぶ。
ただ、最近の日本にも別の三無主義がはびこっているようにみえる。しかも「若者限定」ではない。老若男女を問わず、社会全体に広く深く。
「そんなの『無理』だし、がんばっても『無駄』。何をいっても『無意味』じゃないか」
国が抱える880兆円を超える借金をどうするのか。進む一方の少子高齢社会における医療や年金のあり方はどういうものなのか。一朝一夕で解決できず、複雑な多元連立方程式のように利害が入り組んだ問題に直面したとき、こう考えてしまうようだ。
小泉純一郎元首相の在職時、熱狂的に改革を支持したものの、想像以上の痛みに懲りたのか。改革の成果がよく見えないことへの無力感からなのか。
こんな風潮が既得権益擁護派や、変化を嫌う役所の発想と結びつくと、「とりあえず、今のままでいいんじゃないか」という問題先送りにつながる。事態は悪化するばかりで、見過ごすことはできない。
こうした状況を変えるには、やはりある種の劇薬が必要なのかもしれない。
橋下徹大阪府知事直轄チームによる財政改革試案は、債務残高約5兆円という府財政の再建に向け、3年間で最大3200億円の支出削減を打ち出した。教育、医療、治安、福祉といった分野にも手をつける内容に、関係部局や関連団体などから猛反発を受けている。
しかし、その両者の激論が府民の関心を高める効果をもたらしているのも確かだ。
本紙夕刊(大阪本社発行)「風」欄に橋下府政への読者の意見が連日紹介されている。