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【正論】国益を毀損するODA削減 拓殖大学学長・渡辺利夫 (3/3ページ)
このニュースのトピックス:正論
大胆な政治判断が必要
中国、インド、韓国など新興のODA供与国が勢いを増している。特に中国のODA攻勢が顕著であり、インドシナやアフリカはいずれ中国の「植民地」になりかねないほどに大量の資金と人力がここに流入している。すでに開通した、雲南省の昆明に発しラオスを経由してバンコクにいたるハイウェイや橋梁(きょうりょう)の建設資金の最大の供与国は中国である。
原油や鉱物資源を求めて中国はアフリカ諸国に低利融資の供与をつづけている。数値は定かならぬも、アフリカに対する最大のODA供与国はおそらく中国であろうとDAC議長のドイッチャー氏は過日の面談時に私に語った。
5月末に横浜でアフリカ開発会議、7月初旬に洞爺湖でサミット(主要国首脳会議)が開かれる。いずれも日本が議長国である。開発途上国問題が優先課題となる。2006年の「骨太の方針」により財政プライマリーバランス達成目標年2011年にいたるまでODA予算は年2%から4%の幅で削減やむなしとされている。
しかしここは政治判断が必要である。両会議において首相が、日本は2010年までにODAの対GNI比を0・25%にまで引き戻し、かつ義務的予算削減を終了する2012年以降は、国際公約である同比率0・7%を2015年までに達成するよう努めることを明言すべきである。
国力に相応するODAを効果的に供与し運営することにより日本に対する信頼と尊敬が生まれ、その結果として日本の外交力が発揮されるのである。(わたなべ としお)

