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【主張】公務員改革法案 与野党一致で成立を急げ
国会提出から1カ月以上も棚ざらしにされてきた国家公務員制度改革基本法案がようやく衆院本会議で審議入りした。
明治時代以来の硬直した官僚機構を政治主導型へと転換する。そのきっかけともなる重要法案である。残された会期は限られているが、与野党が合意できる余地は少なくない。委員会での実質審議を急ぎ、ぜひとも今国会での成立を期してほしい。
法案は、(1)中央官庁の人事一元化に向けた「内閣人事庁」の創設(2)採用段階で幹部職員を固定化するキャリア制度の廃止(3)政治家と官僚の接触制限−が主な柱だ。
有識者会議がまとめた当初原案に比べれば、官僚側の抵抗や政府与党内部の利害調整から複雑な修正が加わり、改革姿勢が後退した印象は否めない。
しかし、公務員改革の枠組みが具体的に示されたことは、国の行政を官僚主導型から、より民意を映す政治主導型へと転換する大きなインパクトにはなりうる。
国家公務員の採用・配置は、従来の原案は各府省が作成するものの、内閣人事庁は事後審査と、必要に応じて閣僚に助言し、チェックの目を光らせる。
政官癒着を断ち切るための「接触制限」については、各府省に政治家との窓口役である「政務専門官」を新設して限定的にあたらせるとしている。
大卒対象者の資格試験もこれまでのキャリア制度から民間に準拠して、総合職、一般職、専門職としての採用に変更される。
官僚機構の“制度疲労”は限界に達している。それに頼り切った政治の衰退も目を覆うばかりだ。公務員制度改革は政治改革でもあるとの認識が国会には必要だ。
ところが、審議入りはしたものの、与野党双方に法案成立への強い熱意はうかがえない。6月15日までの会期を大幅延長でもしない限り、法案はせいぜい継続審議となる公算が大きいという。
政府案に民主党は、「本質的な部分が不十分」とし、内閣の人事権強化、政治任用の拡大などを盛り込んだ独自案を明らかにしている。だが、基本部分では政府案と重なる部分も少なくない。
ならば、民主党は審議過程で堂々と論争を挑み、政府も修正協議には柔軟に応じる姿勢を示すべきだ。審議入りが形だけに終わるのなら、福田康夫首相の改革意欲そのものが疑われる。