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【櫻井よしこ 福田首相に申す】「文化の虐殺」粛々と進行中 (3/3ページ)
ダライ・ラマ法王が訴える「文化の虐殺」は、新疆においても粛々と進行中なのである。
中国共産党はウイグル族の土地で、過去46回も核実験を行った。その一方で、同地区の豊かな天然資源や希少金属を持ち去っていく。弾圧と搾取の構造はチベット族に対しても同じである。
異民族を力で抑え込む中国共産党は、北京五輪を成功に導き、近い将来、台湾制覇のため南進すると思われる。そうなれば、日本にとっても深刻な危機が到来する。
だが、彼らの目標は多くの深刻な犠牲を生み出すことなしには達成不可能だ。環境保全と経済成長、民主化と共産党一党支配、人権など普遍的価値観の尊重と漢民族中心の愛国主義、軍事力膨張と国際調和。どれをとっても厳しい二者択一となる。前進するには、常に片方を切り捨てなければならないという異形の国家体制を作り上げた中国は、先の読みにくい不確実の時代に突入しているのだ。切り捨てられる側の不満はすさまじく、暴発すれば中国共産党の基盤が大きく揺らぐ。華やかな舞台となる北京五輪は、皮肉にも中国共産党の衰退を加速させかねない。
日本が備えるべきは、実は、そのような近未来の危機である。福田首相が念頭に置くべきは、自国民も含めておよそ誰も幸福にしてこなかった中国共産党独裁政権の基盤が揺らぐとき、漢民族も異民族も含めた中国の人々、そして国際社会に向かって、いかなる普遍的価値観に基づいた言葉を発することができるかという点である。
この種の危機に際して、日本はなによりもまず、道義によって立つ国であることを明言しなければならないだろう。であれば、福田首相は、いま、中国共産党の常軌を逸した価値観を丸ごと呑(の)み込む卑屈な微笑を、胡主席に見せるのは慎むことだ。そのうえで、価値観を同じくする同盟国、米国との関係重視の姿勢を常に明らかにすることを忘れてはならない。日中関係を大切にしながらも、日米関係が現在の日本の戦略の基盤をなすことを肝に銘じてほしい。
胡錦濤氏訪日
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