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【主張】日中首脳会談 「互恵」を実行で証明せよ

2008.5.8 03:25
このニュースのトピックス主張

 福田康夫首相が訪日中の胡錦濤・中国国家主席と会談し、日中共同声明を発表した。日中関係を「最も重要な2国間関係の一つ」と位置づけ、「戦略的互恵関係を包括的に推進し、両国の平和共存、世代友好、互恵協力、共同発展という崇高な目標を実現していく」とうたった。

 しかし東シナ海ガス田開発や中国製毒入りギョーザ問題などの両国間の懸案では、進展はなかった。このままでは「チベット騒乱で世界の非難を浴びる中国の孤立回避に利用された」との批判も出かねない。共同声明の内容を早急に具体化していく必要がある。

 昨年末の福田首相訪中では、胡主席の「桜咲くころの訪日」で合意した。5月にずれ込んだのはギョーザ事件やチベット騒乱、聖火リレーをめぐる中国国民の内外での排外的行動が国際社会や日本国民の感情を損なったためだ。

 中国首脳がチベット騒乱後、外国訪問するのは初めてだ。日本は1989年の天安門事件で中国が西側諸国から経済制裁を受けた際、結果的に制裁解除の先導役を担った。しかしその数年後、江沢民前政権が「愛国主義」の名の反日民族主義を鼓吹、日中関係の険悪化を招いた苦い経験がある。

 胡錦濤主席が対日関係の修復に努めてきたことは否定しないが、いまも江沢民前主席をはじめとする対日強硬派の勢力は根強い。日本は中国全体の動静を冷静に眺めつつ、真の「戦略的互恵関係」構築に一歩一歩取り組むべきだ。

 共同声明には評価できる面もある。中国が「日本の戦後の平和国家としての歩みを積極的に評価」し「日本の国連における地位と役割を重視」したことだ。胡主席は福田首相との会談で、日本の国連安全保障理事会の常任理事国入りに柔軟姿勢を示したとされる。

 相互信頼増進のため首脳の相互訪問を定期化、安全保障面のハイレベル交流を強化する。「国際社会が共に認める普遍的価値の理解と追求のため緊密に協力する」ことは、中国に人権や民主、言論の自由の尊重を求める足場となりうる。台湾問題でも、日本側は従来の立場を「堅持する」として中国になんら譲歩していない。

 もっとも声明は実行しなければ意味がない。胡錦濤政権には、誠意と実行力を懸案の諸問題で示してもらいたい。ダライ・ラマ14世との対話が北京五輪までの弥縫(びほう)策とならないよう望む。

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