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【正論】太平洋島嶼国との共同体を 日本財団会長・笹川陽平 (2/3ページ)
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“小国”との誤った認識
しかし日本のこれまでの島嶼国外交は実施体制を含め極めて脆弱(ぜいじゃく)である。人口の少なさもあって島嶼の国々が“小国”との誤った認識も災いしているようで、06年5月には小泉元首相が沖縄で開かれた「島サミット」で450億円のODA(政府開発援助)の拠出を表明したものの、専従の責任者はいなく執行も遅れている。大使館も現時点ではフィジー共和国など2カ所に設置されているにすぎない。
島嶼国が大国の利害に翻弄(ほんろう)され海洋国家としての伝統文化や誇りを失う前に、本格的な支援に乗り出す必要がある。そのためにも日本の海洋外交、島嶼国外交の在り方は抜本的に再検討されなければならない。昨年、海洋基本法を制定し、海洋国家としての道を歩み始めたものの、四方を海に囲まれた日本にとって、太平洋の治安と海洋環境は自らの将来を左右する重要なテーマであるからだ。
もちろん海洋資源の確保、海洋環境の保全、海上犯罪の取り締まりなど、どの課題も日本一国だけで実現するのは難しい。海洋基本法に明記された「国際的な連携の確保および国際協力の推進」の実現こそが不可欠で、世界で6番目の広さのEEZを持つ日本には連携と協力の構築に向け海洋世界をリードする十分な資格と資質がある。
島嶼国の中でもパラオ共和国、ミクロネシア連邦、マーシャル諸島共和国、キリバス共和国、米国自治領・北マリアナ諸島からなるミクロネシアは日本と排他的経済水域を接し、日本の海洋権益にも深く関(かか)わっている。戦前、日本が信託統治した歴史もあり親日家も多く、日系人がリーダーとなっている国も少なくない。

