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【正論】太平洋島嶼国との共同体を 日本財団会長・笹川陽平 (1/3ページ)

2008.5.6 03:12
このニュースのトピックス正論

海洋への中国の野心

 米太平洋軍のキーティング司令官は3月11日に開かれた上院軍事委員会で、昨年5月訪中した際、中国高官から、ハワイを基点に太平洋を東西に分け米中で分割管理する提案があったと述べた。司令官は「冗談と受け止めた」としつつも「彼らが影響下に置く地域の拡大を望んでいるのは明らかだ」とも論評しており、中国の本音をうかがわせる一幕だったようだ。

 中国は、海洋大国、海洋強国を目指し、2月には国家海洋局が「国家海洋事業発展プラン」を発表、新規の油田発見、海底資源開発を積極的に推進する方針を打ち出した。関連して中国は約300万平方キロの排他的経済水域(EEZ)を持つと主張するが、台湾や領土紛争中の海域を除くと、実際は90万平方キロ程度にとどまる。開発可能海域も少なく、その分、太平洋島嶼(とうしょ)国の海域に熱い視線を注いでいる。

 温家宝首相は2006年4月、太平洋島嶼国に30億元(約430億円)の優遇融資を申し出た。加えてサモアに国立競技場と政府総合庁舎、クック諸島に警察本部庁舎を建設するほか、フィジーに対してはマグロ船50隻の建造を支援、バヌアツ共和国やトンガ王国では中国のテレビ放送CCTVの視聴を可能にするなど文化面の強化も抜かりなく進めている。

 英連邦、米国、豪州・ニュージーランドなど先進国の権益が絡み合う西太平洋海域での影響力拡大と同時に、台湾と国交を持つ島嶼国を牽制(けんせい)する狙いもあるようだ。中国の野心は、そのまま日本の脅威となる。

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