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【風を読む】論説副委員長 中静敬一郎

2008.5.5 08:19
このニュースのトピックス橋下府政

 防衛省改革の隠れた最大のテーマは、自衛隊の士気とモラルをいかに高めるかである。海自イージス艦衝突や情報漏洩(ろうえい)などの根っこの問題でもある。

 それは国民が自らの生命、安全を守る人たちへ感謝と敬意をいかに示すかにかかる。士気高揚やモラル向上への自衛官の精神的基盤は国民の支持と密接不可分なのだ。

 少し前の話だが、大阪府の橋下徹知事が2月7日、兵庫県伊丹市の陸上自衛隊中部方面総監部と第3師団司令部を就任あいさつに訪れたことがある。知事は、中村信吾総監などに対し、「災害など危機的な状況があったときは全力を挙げて府民を守ってほしい」と要請したあと、記者団に「命をかけて働いている方々には真っ先に敬意を表さないといけない」と語った。 

 驚いたことに、近畿を含む2府19県を管轄している中部方面総監部に対し、知事が就任のあいさつに訪れたのは13年前の横山ノック氏以来、2人目という。

 自衛隊員は就任時に「ことに臨んでは身をもって職責を完遂する」と宣誓する。殉職者は昨年10月、1791人と報告された。吉田茂元首相は昭和38年に著した「世界と日本」で、「自衛隊に対する政府その他責任当局の態度に、不徹底にして自信を欠くもののあるやに見えることは特に遺憾である」と叱声(しっせい)を放ったが、今もそう変わっていないようにみえる。

 防衛省改革の要は、自衛隊を抑えつけるのではなく、その潜在能力をフル活用して国民を守っている組織であることを示すことにつきる。

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