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【正論】胡錦濤訪日の意味するもの 国際教養大学理事長・学長 中嶋嶺雄 (3/3ページ)
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首相の真意とその危険性
では、福田政権はなぜこの期に及んで中国に手を差しのべ、胡錦濤訪日を実現させようとするのであろうか。福田政権への支持率が急落するなかで、「世界の中の問題国家」中国のトップを友好的に招くことが、政権のイメージアップにつながるとはいえないであろう。
マイナス効果の方が大きいのではないか。高村外相や町村官房長官の対中国認識はそれほど異常だとは思われず、日中間の戦略的互恵関係という外務官僚の政策形成も従来のいわゆるチャイナ・ロビーの手によって縛られているわけではないので、福田首相の不透明な意思形成が時間の経過と多忙な国会運営によって助長され、外交日程の方が先に固まってしまったとも考えられよう。
福田首相の外交ブレーンの学者・専門家と私などとの中国認識や国際関係認識は大きく隔たっているが、それらの諸氏は中国情勢がこれほどまでに深刻化するとは見ていなかっただけで、今の時期の胡錦濤来日を左右しているとは思えない。結局は福田首相の意思にかかっているのだが、福田康夫氏個人の中国認識や台湾認識はすでに久しい以前から「確信犯」的に中国傾斜だと私は見てきている。
半面、今日の中国問題の大きさは、チベットやそれに続くウイグル族の動静とともに、人類の未来を危機にさらしかねない世界史的課題だといえよう。一内閣一首相の意向で、オリンピック聖火をかかげて台頭したナチスの膨張を許した「宥和政策」に等しいようなことになるならば、取り返しのつかない歴史の過ちを犯すことになりかねない。(なかじま みねお)

