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【正論】胡錦濤訪日の意味するもの 国際教養大学理事長・学長 中嶋嶺雄 (2/3ページ)

2008.5.2 02:20
このニュースのトピックス正論
中嶋嶺雄氏中嶋嶺雄氏

朝貢国のような露払い

 このような国際的な波紋と衝撃にもかかわらず、日本政府や与党の首脳はきわめて無神経かつ鈍感に事態に対応しようとしている。

 とくに全世界にチベット問題での抗議の渦が高まっていたこの4月中旬に自民党の伊吹文明幹事長と公明党の北側一雄幹事長が与党代表団として胡錦濤訪日の露払いのように訪中し、北京人民大会堂での胡錦濤主席との会談を求めたのは、いかがかと思う。

 明敏な伊吹幹事長は、日本国内向けには「チベット問題でも中国側に物申した」旨を発言されていたが、両幹事長との会見を一面トップに写真入りで報じた『人民日報』(4月17日付)は全くそんなことには触れず、もとよりチベットのチの字も報ぜずに、「伊吹文明は、中国が行うオリンピックを支持する日本の立場は一貫しており、今後も変わらないと表明した。北京オリンピックはアジアの盛典であり、日本側は北京オリンピックが成功することを今から祝っている」と書いている。そして最後に『人民日報』は、「伊吹文明はさらに胡錦濤主席宛の日本首相福田康夫の親書を手渡した」と結んでいるのである。この報道ぶりは、まさに朝貢国の使節が中華皇帝に拝謁(はいえつ)しているようなかたちになっていた。

 中国当局は4月25日、チベット亡命政府のダライ・ラマ14世側との対話再開の用意がある旨を表明したが、問題の解決には程遠いであろう。

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中嶋嶺雄氏
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