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【正論】胡錦濤訪日の意味するもの 国際教養大学理事長・学長 中嶋嶺雄 (1/3ページ)
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どんな気持ちで迎える
正常な国際感覚と中国観をもつかぎり、建国後初の戒厳令を公布して前回(1989年)のチベット騒乱を徹底鎮圧した当事者でもある胡錦濤・中国国家主席を今この時期に国賓として迎え、日中友好をたたえることなどあり得ないと思うのだが、日本政府や与党首脳の認識は、次元を異にしているようだ。
福田首相は胡錦濤主席を6日から10日までわが国に招き、胡主席は日中首脳会談や日中平和友好条約締結30周年記念式典に臨み、天皇・皇后両陛下に謁見(えっけん)、早稲田大学での講演や日中両首脳の「ピンポン外交」、池田大作創価学会名誉会長との会談、横浜中華街、奈良の法隆寺、唐招提寺への訪問も行う予定だと報じられている。多くの日本国民はどんな気持ちで、この現実を受けとめるであろうか。
私は去る3月20日付本紙「正論」欄でチベット騒乱について書き、「『食』や『環境』、それに『人権』で不安の大きい北京五輪のボイコットとまではいますぐ結論を出さないにしても、この5月の日中首脳会談の開催はひとまず延期すべきだ」と提言したのだが、日本政府の意思決定にはつながらなかった。
一方、チベットの騒乱と鎮圧が続くなかで、チベット民衆への同情・共感と中国当局への批判や抗議は欧米諸国を中心に全世界的な広がりを示し、北京五輪の聖火リレーは各国各地で多くのトラブルに出合っている。わが国でも、長野市の善光寺がチベット仏教への弾圧も理由に挙げて聖火のスタート地点になることを辞退し、4月26日の聖火リレーは、物々しかった。

