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【正論】自衛隊のあり方と防衛省改革 拓殖大学大学院教授・森本敏 (1/3ページ)

2008.4.30 03:24
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新状況に対応できない

 このところ防衛省や自衛隊に関係する事故や事件が相次ぎ、防衛省の改革論議がにぎやかだ。なかでも守屋前同省事務次官の汚職事件、一連の秘密漏洩(ろうえい)、イージス艦「あたご」の衝突事故などは、その組織・機構のあり方に重大な疑問を投げかけた。

 自衛隊はこの半世紀にわたる先人の苦節と努力によって、アジア有数の戦力に発展している。災害派遣に従事する自衛隊員の姿は頼もしくもある。一連の事件は自衛隊が精鋭組織と信じていた人たちの信頼を裏切るものであり、その責任は重大である。

 しかし、これらの事件の原因と組織・機構は直接の関係はない。確かに、事故後の措置や報告については組織・機構に問題があるものの、事件の原因の多くは指揮官の指揮や隊員の規律、士気にある。とはいえこれらの問題を国家的見地からみると、その背後にもっと根本的な問題が存在すると思わざるを得ない。

 国家の防衛に対する国民意識の問題はその一つ。特に、米国で起きた9・11テロ以降、防衛の目的や意義が分かりにくい。わが国にとっての脅威には朝鮮半島、中国から来るものや非対称脅威という問題がある。しかし、これらが現実には、いかなる脅威になるのか分かりやすく説明されていない。

 こうした新しい状況に自衛隊の問題意識が追いつかない。結果として質の良い隊員ばかりとはいえず、部隊の規律や士気を維持することは難しく充足率も良くない。しかし、部隊には任務がある。艦艇や航空機には士気も規律も高い隊員だけを乗せたいがそうもいかない。仮に艦艇の上で携帯電話している隊員がいても、しかれないこともある。辞められたら困るのが目に見えているからである。

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