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【主張】日露首脳会談 「洞爺湖」では領土前面に
福田康夫首相とロシアのプーチン大統領との26日の首脳会談は、新緑に包まれたモスクワ郊外ノボ・オガリョボの大統領公邸で行われた。日本の現職首相が公邸に招かれるのは初めてであり、昼食会では大統領の愛犬コニーが登場するなど、アットホームな雰囲気だったようだ。
ロシア側は当初予定していたクレムリンでの会談を前日に急遽(きゅうきょ)変更し、「首脳間の信頼関係」を演出した。会談でも大統領は、北方領土問題の解決に前向きの姿勢を強調するなどリップサービスにつとめたが、内容は協議の継続と「日露関係を高次元に引き上げる」との表現にとどまった。
しかも、その言葉とは裏腹に、大統領が5月初めの退任直前に日本の首相を招待した事実には釈然としないものがある。主要国の中で最後に公邸に招かれる国となったのも皮肉だが、それは、ロシア側のこれまでの日本軽視の結果でないといえるだろうか。
7月の北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)では、ロシア首脳が初めて北方領土の帰属する北海道に降り立つ。
ロシア側には、外交の大舞台を控え、日本側に領土問題解決への意欲を見せておくことで、サミットの場で領土議論が沸騰することを阻止する狙いがあったにちがいない。
洞爺湖サミットの成功は、ロシア側と日本にとっては、その意味が全く違うことを日本の当局者は認識すべきだ。
すでにロシアでは、領土解決後に調印するはずの平和条約の不要論が頭をもたげている。日本が経済を重視しすぎているからで、今回の首脳会談でも東シベリアの石油・天然ガス田共同探鉱合意など経済を優先させた印象が強い。
福田首相は次期大統領のメドベージェフ氏とも初会談した。新しい大統領には、サミットで領土問題が解決しなければ日露関係も安定したものにならず、相互繁栄の基盤も脆弱(ぜいじゃく)なままであることを訴える必要がある。
メドベージェフ氏も、初の外交デビューとなるサミットで、北方領土問題を解決して平和条約を締結する重要性を明確にし、具体的な提案を用意すべきだ。
サミットでも今回と同じように領土問題の継続協議を確認するだけなら、間違いなく「領土置き去りの時間稼ぎ」との非難を浴びることになろう。