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【正論】再論「靖国」 官僚の偏向のにおいがする 元駐タイ大使・岡崎久彦 (2/3ページ)
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ただ、逃げ切ればそれで良いというものでもない。私も役人だったが、どうしてこんな苦しい答弁をするリスクを冒したのかが腑に落ちない。まして国民の税金を使う案件であるから、いささかでも疑惑を招かないように、李下に冠を正さないぐらい慎重を期するのが役人ではないか。
敢えてそうするのは、世間の常識が反発するのを覚悟の上何とか無理を通そうという確信犯的な場合だけである。
そう言えば、文化庁の答弁は苦しくなると最後には、記録映画専門委員会の判断だと言って逃げている。そのメンバーを見ると、ほとんどが映画評論家であって、映画の芸術性は論じられても(私と同じように製作者の芸術的意図は認めたであろう)、政治性の観点からの政府助成の適否の判断などについての専門家ではないようである。
そしてその中には(憲法)九条の会の活動家、神社合祀(ごうし)反対運動家の名もあるが、それをバランスできる反対側の政治的傾向の人の名は無いようである。
そんな委員会では少数でも確信犯的意見が出れば大勢が一方に流れることは自明の理である。
そういう人選をチェックしない文化庁には監督責任があろう。また、そこから出た意見を、チェックもしないでそのまま鵜呑(うの)みにしている(あるいは確信犯的に見過ごしている)文化庁の責任が問われなければならない。
世代間の認識に差も
私はここには世代の問題もあるのではないかと憂慮する。1982年の歴史教科書修正誤報事件が起こった時点で、切歯扼腕(せっしやくわん)した文部官僚達は私と同世代であった。ところがその後『官房長官談話』を積極的に擁護したのは、日教組教育の下に育ったその次の世代の官僚達だった。
今度の事でも、確信犯でもなければ、役人があんな危ないことはしないと私が思うのは、その故である。

